宮崎紘一
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宮崎紘一ゴルフジャーナリスト

低レベルな選手育成 松山マスターズVに浮かれている場合か

公開日: 更新日:

 マスターズをはじめ、コースも選手のレベルも最高峰の米ツアーで戦ってきた松山にすれば、低レベルの日本ツアーはまったく魅力がない。では松山が道筋をつくったことで日本人選手にメジャー優勝の可能性があるかとなると、これこそ、その確率はゼロに近い。というのも米ツアーは近年パワーアップした上、それに対抗するためコースの難度もはるかに高くなっている。そんなところへ日本ツアー成績で、スポット参戦したところで予選通過はままならない。松山はマスターズに初出場してから10年戦い続けてやっとメジャータイトルを獲得したのだ。

 世界で戦える選手育成には、ゴルフ界全体の取り組みも必要だ。例えばお隣韓国では、国や財界などがバックアップしてジュニア養成に取り組んでいる。素質に恵まれた人材を発掘して、経済的な支援をはじめ、恵まれた環境で選手を育てる。2009年には男子メジャーの全米プロでY・E・ヤンが、女子ではすべてのメジャーで数えきれないほどの韓国人選手が優勝しているのはそんな背景がある。そういう意味では個人の努力に頼るしかない日本のゴルフ環境は劣悪である。松山は身長181センチ、体重90キロとフィジカルに恵まれているが、米ツアーのトッププロは190センチオーバーの大型選手が多い。

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