大谷がHRメジャー単独首位 パワーと悪球打ちで“鬼に金棒”
二刀流のバットから快音が止まらない。エンゼルス・大谷翔平(26)が日本時間19日のインディアンス戦で、先発右腕プリーサックからバックスタンドに叩き込む14号ソロ。ブレーブス・アクーニャJr.、ヤンキース・ジャッジら両リーグを代表する強打者たちを抑えて本塁打数でメジャー単独トップに立っている。
全米でも大きな話題になったのが18日に打った13号3ランだ。明らかに高めに外れた速球。チーム内では悪球打ちを得意とする1番打者フレッチャーにちなんで「フレッチスペシャル」と言われているボール球だった。それでも大谷は「良い反応していたので、もっともっと打てるように頑張りたい」と笑顔を見せた。
同15日のレッドソックス戦では外角低めに外れた変化球を最後は右手一本で振り抜き、グリーンモンスター(左翼フェンス)越えの一発を叩き込むなど、悪球打ちが目立っている。その一方で、甘い球に手が出ず、見逃し三振に倒れるケースも少なくない。
「今季の大谷の打撃を見る限り、狙いとは異なる球が来ても十分に対応しきれています」と評論家の山崎裕之氏がこう続ける。
「先のレッドソックス戦でグリーンモンスターに運んだ当たりも、とっさに反応して、うまく捉えていました。通常なら見逃せばボールになる球でも振り切れているのは、インパクトの瞬間にヘッドをうまく利かせているからでしょう。非常に理にかなった打ち方と言えます。今季好調な大谷といえども毎回、自分の理想とする打撃ができるわけではありません。悪球に手を出しても、結果を残しているのは、意図していたのと違うコースや球種にも十分に対応している証拠です」
イチローは渡米後、地面スレスレのボール球にも手を出して安打を量産してきた。出塁を義務付けられる1番打者でありながら、ボール球でも打ちにいくイチローのスタイルは賛否両論あったが、それでも結果を出し続けた。
「大谷が甘い球を見逃すのは相手投手を分析しきれていないのかもしれませんが、それをカバーするだけの適応力があるだけに、簡単に調子を崩すことはないでしょう」(山崎氏)
どんなコースでもスタンドに運べる適応力は、本塁打を量産する上で明らかにプラス。パワーに適応力が加われば、鬼に金棒か。
筒香は新天地デビュー
ドジャースに移籍した筒香嘉智(29=前レイズ)が日本時間19日、本拠地ドジャースタジアムでのダイヤモンドバックス戦に「7番・左翼」でスタメンに名を連ねた。新天地でのデビュー試合は2打数無安打1三振、2つの四球だった。
筒香は、故障者が続出している手薄な野手の穴埋めとして期待されている。