大谷に3発打たれたヤンキース垂涎!FA獲得へ用意するカネは470億円超え

公開日: 更新日:

「スーパースターのトラウトをふくらはぎの故障で欠いたエンゼルスがまだ機能しているのは、二刀流が見ものの大谷によるところが大きい。トラウトの故障後、34試合で12本塁打、27打点。投手としても今季は3勝1敗、防御率2.58で、早くもア・リーグMVP候補に取りざたされている」

 日本時間30日のヤンキース戦でア・リーグ首位に立つ28号本塁打を放った大谷翔平(26=エンゼルス)について、こう書いたのはニューヨークの「ニューズデー」(電子版)だ。

「デーリー・ニューズ」紙(電子版)も「大谷は時速189キロ、今季、最も強くコンタクトしたソロ本塁打によって(ヤンキース先発の)キングを打ち砕いた。月に打ち上げたようなとてつもない一打は彼にとって、2018年以来、ヤンキースタジアムで放った初めての安打だった」とベタボメ。「ニューヨーク・ポスト」(電子版)は大谷に「二刀流のスーパースター」という形容詞を付けた。

「大谷はいよいよ全米中から注目される選手になってきたということですよ」と、米コラムニストのビリー・デービス氏はこう続ける。

「ニューヨークの知人は大谷について『二刀流といっても、しょせん日本や西海岸で騒がれているだけだろ』と話していました。ニューヨークをはじめ東海岸で注目されて初めてスーパースターという認識なのです。けれども、ヤンキースタジアムで時速117.2マイルの本塁打を放ち、ニューヨークのメディアが騒ぎ出した。これでオールスターで活躍しようものなら、間違いなく全米がスーパースターとして認知しますよ」

 本拠地でケタ違いの一発を食らって4連敗、東地区首位のレッドソックスから7.5ゲーム離された4位に低迷するヤンキースもまた、大谷を再評価しているのではないか。

■ヤンキースは4年前、面談にも進めず

 大谷がポスティングシステムで米球界入りした17年オフ、多くのメジャー球団が獲得に名乗りを上げた。

 ヤンキースもその中のひとつ。キャッシュマンGMは当初、獲得に向けて自信満々だったものの、2次選考の面談にすら進めず、早々とソデにされた。同GMは大谷の希望が西海岸か小規模都市の球団にあることまで明かしたうえで、「2、3日前から良くない予感はあった。我々がビッグマーケットをもっていて、東部にあることは変えられない。この街やファンには誇りをもっている」とコメント。それなら西海岸の小規模都市でプレーすればいいじゃないかと言わんばかりの“捨てゼリフ”まで吐いた。

ヤンキースの補強ポイントと投打とも合致

 当時の大谷が「西海岸か小規模都市の球団」にこだわったのは、理由があった。メジャーにバッティングのよい投手はゴロゴロいても、本格的な二刀流選手は皆無。日本でもシーズンを通して先発ローテーションを守ったことのない大谷が、ただでさえレベルの高いメジャーに行って本格的な二刀流を貫ける保証はどこにもない。辛抱強く使ってもらうことが大前提だっただけに、すぐに結果を求めたがる「大都市の強豪球団」ではさっさと見切りをつけられてしまうかもしれないと危惧したのだ。

 しかしながら、状況は変化した。メジャー4年目で投打ともに開花。打者として本塁打のタイトルを争い、投手としても先発ローテーションに入って結果を残すようになった。投打でトップクラスの力を発揮しているだけに、本人は自信をもっただろうし、「大都市の強豪球団」も文句なしに大谷の投打を欲しがる。

 FA権を取得するであろう再来年オフ、激しい争奪戦が繰り広げられるのは確実だ。中でも、かつてムゲにされたヤンキースは、今度こそ大谷をモノにすると、いまから金庫を開ける準備をしているともっぱら。チームが精彩を欠いているだけになおさらだ。スポーツライターの友成那智氏がこう言った。

「ヤンキースは先発陣がひどい。エースのコールは異物の取り締まりが厳しくなって以降、さっぱりで、他の先発はボロボロですからね。それに右翼や右中間までの距離が短く、左の長距離打者に有利なヤンキースタジアムを本拠地にしながらスタントン、ジャッジ、サンチェス、ラメイヒュー、トーレスと、いまの主力打者は右打者ばかりです。投手としてコールと並ぶエース級の活躍が期待できて、なおかつ左打ちの長距離打者である大谷はヤンキースの補強ポイントにピタリと合致します。大谷が今後、ケガなく投打でコンスタントに成績を残すようなら、FAになる再来年オフは同僚のトラウトの12年総額約470億円と同等、もしくはそれ以上の金額を用意するかもしれません」

 2年後のオフは大谷に想像を絶するような値が付く可能性もあるというのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  2. 2
    貧打に喘ぐ阿部巨人…評論家・秦真司氏が危惧する「坂本勇人の衰えと過度な主力依存」

    貧打に喘ぐ阿部巨人…評論家・秦真司氏が危惧する「坂本勇人の衰えと過度な主力依存」

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    ロッテ4年10億円男・中村奨吾が“不良債権化”…ファンは怒り呆れ、SNSは批判の大喜利状態

    ロッテ4年10億円男・中村奨吾が“不良債権化”…ファンは怒り呆れ、SNSは批判の大喜利状態

  5. 5
    西武・渡辺GM兼監督代行が「現場目線」のトレード模索 12球団ワースト貧打は松井監督時代より悪化

    西武・渡辺GM兼監督代行が「現場目線」のトレード模索 12球団ワースト貧打は松井監督時代より悪化

  1. 6
    伝説のサラリーマン投資家 日本株はバブルと呼ぶには程遠い「儲けるチャンスは大あり」

    伝説のサラリーマン投資家 日本株はバブルと呼ぶには程遠い「儲けるチャンスは大あり」

  2. 7
    眞鍋かをり「野党は文句しか言っていない」にツッコミ猛拡散 イベントで小池都知事と同席の過去

    眞鍋かをり「野党は文句しか言っていない」にツッコミ猛拡散 イベントで小池都知事と同席の過去

  3. 8
    “投手”大谷の「球速低下」と「二刀流断念論」との戦い…2度目手術後は“選手寿命激減”と米論文

    “投手”大谷の「球速低下」と「二刀流断念論」との戦い…2度目手術後は“選手寿命激減”と米論文

  4. 9
    蓮舫氏の東京都知事選出馬に右往左往、毒舌批判する《#パニックおじさん》って何だ?

    蓮舫氏の東京都知事選出馬に右往左往、毒舌批判する《#パニックおじさん》って何だ?

  5. 10
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」