【サッカー】U-24日本代表のNZ戦を総括 PKにもつれた瞬間に勝利を確信した
準々決勝のニュージーランド戦は延長が終わってもスコアは0-0のまま動かず、PK戦で決着をつけることになった。
えてして実力上位国の方が「勝てる試合だったのにPK戦とは……」と重苦しい雰囲気になるものだが、個人的には120分が終わったところで「よっしゃ! 日本の勝ちや!」と確信した。
ニュージーランドは守備も固く、攻守の切り替えも良かった。しかし、日本選手と比べて技術レベルに面で劣っており、誰が出てきても「誰かひとりは外すだろう」と思っていたからや。
結果的に3人目のキッカーがゴール上に外したが、その前の2人目のシュートをGK谷がセーブしたことが3人目にプレッシャーを与えてくれた。
決めるべき場面で決め切る
日本はPK戦で運に恵まれて勝ったのではない。テクニックで勝っていたからこそ勝ち切れたわけだし、堂々の準決勝進出と胸を張っていいだろう。ただしーー。
決定機を何度も外したことで90分での勝利から見放されたことについては、虚心坦懐に反省してもらいたい。
前半10分、右サイドでMF久保からFW林にボールが渡り、相手GKとDFの間にグラウンダーのクロスが入った。抜け出したMF遠藤が左足を出した。フリーの遠藤の前にはゴールネットしかない。「ただ当てるだけで先制点」の場面でボールは、クロスバーの上を飛んでいった。
後半36分、MF堂安が右サイドからクロスを放り込み、途中出場のFW上田が右足ダイレクトでシュート。相手DFのマークも緩く、上田は余裕を持ってゴール右上か左上を狙えば良かった。しかし、ゴールの真ん中に立っていたGKの正面を突いてしまった。
決めるべき場面でゴールを決め切るーー。
サッカー界の金言である。相手が格下であっても、何度も好機を逸しているうちに試合の流れを持っていかれ、ラッキーパンチを食らって負けることは、どのレベルの試合でも起こり得ること。
3日のスペイン戦は…
実際、延長前半13分には、日本ゴール前のフリーの選手の足元にボールが入って「シュートを打たれたら失点」という場面があり、延長後半3分には相手のシュートがゴール左に飛び、そこにDF吉田がいなかったら失点という局面もあった。
敗退の可能性もあったが、それでも日本の選手たちは、本当によく頑張ったと思う。試合を重ねるごとに一体感というのかな、攻撃と守備の選手たちの信頼感が増し、プレーの連動性もスムーズになってきている。
スペイン戦は3日の午後8時にキックオフされる。欧州の強豪に臆することなく、持てる力をフルに発揮して決勝に駒を進めてもらいたい。そのためにも……シュート練習はしっかりやってもらわんといかんな(笑い)。
(構成・日刊ゲンダイ編集部)