春日良一
著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。

山下泰裕JOC会長を北京に派遣? 日本の「五輪音痴」ここに極まれり

公開日: 更新日:

 ピンポン外交の発端をつくり、米中融和に貢献した卓球の世界チャンピオン荻村伊智朗(国際卓球連盟会長、日本オリンピック委員会=JOC・国際委員長)は、わがスポーツ外交の師であり同志であったが、彼は91年の世界卓球選手権で南北統一コリアチームを実現してその功績を称えられる中、私にこう囁いた。

「まだまだスポーツは政治には勝てない。スポーツが一なら政治には千の力がある。しかし、私たちがスポーツを通して友好を培う努力を続けていけば、やがて政治を変えるほどの力になる」

 80年モスクワではアイデアすら浮かばなかった「外交的ボイコット」の登場は、その一歩手前まで来ていることを感じさせる。オリンピックは「国境、政治、宗教、人種、民族、経済などあらゆる垣根を越えてスポーツで集まる中で人類が手と手を取り合って生きていける未来への希望」を顕現化させる。このオリンピックの理念が遠心分離機として働き、「スポーツ」と「政治」を、「選手団」と「政府関係者」を分離したのだ。

 果たして日本政府はどうするのか? 米国に追随するしか能がない政権であることを示すのか?日中友好路線に影を落とさないために手を打つのか?

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

  2. 2
    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

  3. 3
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 4
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  5. 5
    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚

    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚会員限定記事

  1. 6
    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

    まともに相撲が取れない貴景勝いまだ現役の裏に「親方株問題」 3場所連続休場で9度目カド番確定

  2. 7
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8
    つばさの党代表が公選法違反で逮捕 温和だった黒川敦彦容疑者はなぜ“キャラ変”したのか

    つばさの党代表が公選法違反で逮捕 温和だった黒川敦彦容疑者はなぜ“キャラ変”したのか

  4. 9
    頑なに「高卒で米挑戦」…まともに会話すらなかった大谷が翻意、日本ハムに入団決めた舞台裏

    頑なに「高卒で米挑戦」…まともに会話すらなかった大谷が翻意、日本ハムに入団決めた舞台裏

  5. 10
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル