大坂なおみ世界ランク急降下…進歩の足固めには「負け味」を十分積むこと
ショット力は依然としてピカ一、サーブの使い分けにもオフの十分な練習ぶりがうかがわれた。力は落ちていないのだが、テニスでは〈現状維持〉は不十分だ。年がら年中試合があり、1回戦負けでも賞金850万円という“非常識”な世界。選手たちは常に現状打開を目指し研鑽している。
マッケンローのネットプレーをどう破るか、ベッカーのビッグサーブにどう対処するか、グラフの穴はどこか、フェデラーの片手打ちの攻略法──どんどん変化してきたのが世界ツアーの特徴で、こうした変化についていく道は大会に出て、試合をするしかない。
■負けて負けて、強くなれるか
勝負に「勝ち味」という言葉があるが、4大大会を頂点としたテニスでは、普段の負けこそが進歩の足固めであり、彗星のように現れた大坂は「負け味」を十分に積んでいない。
コロナ禍の影響はあるにしろ、昨年は8大会で21試合、一昨年は4大会で18試合プレーしただけ。全豪の前哨戦では、昨年と同じように準決勝で棄権している。