阿波野秀幸元プロ野球選手
1964年7月28日、神奈川県生まれ。桜丘高、亜大を経て、86年のドラフト1位で巨人、大洋（現DeNA）を含めた3球団競合の末、近鉄に入団。87年、新人王、89年は19勝（8敗）、183奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。その後、巨人、横浜でプレー、通算75勝68敗5セーブ。引退後は巨人、横浜、住友金属鹿島、中日などでコーチを務めた。
ドラフト1位で近鉄入りした野茂英雄はマスコミ対応に苦慮…一緒に座禅を組もうと誘った
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私は帰省中で当時、横浜にいた。大阪にいた野茂は「僕が行きます。わざわざ来てもらうわけにはいかないので」と言ったそうで、横浜に来ることに。山下公園に係留されている氷川丸の中で対談することになり、そこで彼と初めて会った。おとなしいけれど、礼儀正しくて筋を通すところがあると思った。
「比較的、若い人が多いチームだから、注目されていることを意識せずにノビノビやればいいと思うよ」
野茂にはそんな話をした。寒い日で吐く息が白く凍るようだったことを覚えている。
で、キャンプが始まったら案の定、野茂の注目度はすごかった。野茂が動くたびに、テレビカメラや新聞記者たちもゾロゾロと後を追い掛けた。
史上最高額の契約金を手にした右腕、史上最多の8球団が競合したアマナンバーワンといった事実はともかく、実際に試合で投げる以前からとてつもない大投手であるかのように持ち上げられて入団したことも影響しているのか、マスコミ対応がうまくいかないところがあった。言ったことがないことまで記事になったりするケースもあって苦労したようだ。
