低迷国内男子ツアーを救うのはサウジのオイルマネーか アジアンツアーに10年で3億ドルの投資
夢物語ではない。
今年6月に開幕した新ツアーのLIVゴルフ(以下LIV)。サウジアラビアのオイルマネーを資金源に高額の契約金や賞金が話題になっているが、サウジのカネが投下されているのはLIVだけではない。
今季の欧州女子ツアーには、サウジの国営石油会社「サウジアラムコ」がスポンサーを務める大会が6試合あり、賞金も跳ね上がった。
コロナ禍の大打撃を受けたアジアンツアーは、LIVが支援する年間10試合の「インターナショナルシリーズ」がツアーの日程に組み込まれ、10年間で3億ドル(約410億円)が投資されるという。
そこで、人気低迷の日本の国内男子ツアーだ。1982年には年間46試合もあったが、今年は27。今後も厳しい状況が続きそうだ。
「交渉次第では、LIVの最高経営責任者(CEO)であるG・ノーマンが力を貸してくれるかもしれません」と言うのは、ゴルフライターの吉川英三郎氏だ。
「ノーマンはアジアのゴルフ界に強い関心がある。日本のゴルフ事情も熟知している。アジアンツアーに組み込まれるインターナショナルツアーの試合を国内ツアーと3試合程度共催したり、欧州女子ツアーのような新規大会を5、6試合創設してもらうこともできるかもしれない。その代わりではないが、LIVの日本開催を提案してみるのもいい。JGTO(日本ゴルフツアー機構)はLIVに参戦している国内選手に対し罰則規定は設けておらず、LIVとの関係は悪くない。パイプが太くなれば欧米ツアーとの関係悪化が懸念されるものの、試合を増やしたいなら、あらゆる道を探るべきです」