元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

185センチ大型ボランチの浦和の伊藤敦樹は「存在価値」を発揮して代表生き残りを図る

公開日: 更新日:

「盗めるところは盗んで成長したい」

 所属先で高い意識を持ってコンスタントに活躍したところ、9月の欧州遠征2連戦もメンバー入り。トルコ戦では同い年の田中碧(デュッセルドルフ)とボランチコンビを結成する機会にも恵まれた。

「碧は同じ年齢でゲームキャプテンを任されるくらい森保(一)監督から信頼を得ている。落ち着きもありますし、自分が立ち位置を確立していく上でいいライバルになると思う」と刺激を受けつつ先発。堂安律(フライブルク)との絶妙の連携から前半15分に豪快ミドル弾を決めた。

「左足のゴールは多いですけど、あそこまでミドルの形は初めてです」と本人も驚き半分だった代表初ゴールで強烈インパクトを残すことに成功。 10月シリーズのカナダ(13日=新潟)、チュニジア(17日=神戸)との2連戦も継続して選ばれている。

「でもトルコ戦の後半はペースダウンしてしまった。自分と代わった航さんは攻守両面で存在感を出していた。それが自分の目指すところ。盗めるところは盗んで成長したいと思ってます」と彼は闘争心を露わにする。

 9月の代表後は、J1とACLの掛け持ちで超過密日程を強いられている。「ドイツ→ベルギー→さいたま→中国・武漢→大阪→さいたま」という大移動もあり、疲労困憊なのは間違いないが、欧州組はそういう過酷な日々を乗り越えて代表で結果を出している。

「近未来の欧州移籍予備軍」と目される男は、どこまでもタフに逞しく戦い抜くことが必要だ。

 遠藤・守田・田中碧という森保ジャパンの鉄板ボランチ陣を相手に自身の立場を確立させられるのか、それとも否か。 

 10月の2連戦は、伊藤敦樹にとっての大きな分岐点になりそうだ。

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