【日本ダービー】初挑戦Vだ松永幹師 リオンリオンで熱いドラマをつくる

公開日:2019年5月23日 17:00 更新日:2019年5月23日 17:00

 松永幹師が横山武とのコンビで初の大舞台。リオンリオンでダービー取りを目指す。

 松永幹師は1986年に騎手デビュー。91年オークスをイソノルーブル、96年秋華賞をファビラスラフイン、97年桜花賞をキョウエイマーチと牝馬3冠を達成した。

 天覧競馬だった05年の天皇賞・秋も印象深い。

 14番人気のヘヴンリーロマンスで臨み、超一流の牡馬相手に差し切り劇。レース後にスタンドに向かって最敬礼を行い、感動を呼んだ。

 06年春にJRA通算1400勝の輝かしい実績を残してステッキを置いた。引退当日には阪急杯のブルーショットガン、最終レースと連勝し、有終の美を飾っている。

 実に華のあるジョッキーだった。ただし、ダービーは10回の騎乗で、97年メジロブライトの③着が最高。先頭フィニッシュはない。

 調教師に転身後もレッドディザイアで09年秋華賞、ラッキーライラックで17年阪神JFとビッグタイトルを獲得。先週まで重賞15勝を含む331勝を積み重ねている。

 だが、ダービーに送り込むのは今回が初めて。それがリオンリオンだ。

 昨年の夏にデビューして、②②①着と秋に勝ち上がり。それからも使いながら徐々に力をつけていった。ここ2戦は大寒桜賞、青葉賞と連勝し、勢いをつけて頂上決戦に駒を進めてきた。

 3走前に2番手につけると前2戦は逃げ切り。とりわけ前走は前半3~5Fが35秒8―59秒9と速いペースで引っ張り、上がり3Fは11秒6―11秒8―12秒9の粘り腰。自分のスタイルが確立した印象がある。

 状態もマル印がつく。

 東京遠征後もすぐに乗り込みを開始。先週は水曜に坂路4F54秒1を出すと、日曜にもCウッドで軽く追い切り。そしてきのうもCウッドで6F83秒1―36秒7、ラスト1F12秒2だ。

 当初は前3走に続いて横山典で向かう予定だった。競馬学校の同期で、今もバリバリの一線級。実は松永幹厩舎が開業したばかりの時、初Vの手綱を取っていた。

 前走がコンビ12勝目。今年の初春Sでは単勝万馬券のモアニケアラでアッと言わせたことも。

 これまでダービーは09年ロジユニヴァース、14年ワンアンドオンリーで2勝。09、14年とくれば「5年周期」で今年も……のはずが、先週土曜まさかの騎乗停止に。

父の代打にぴったり横山武とのコンビ

 注目された鞍上は三男の横山武に決まった。

 17年にデビューして、その年は13勝。昨年は35勝と3倍増近く。そして今年は先週まで25勝、冬の小倉開催に続き、春の新潟でもリーディングに。通算73勝の20歳。現在、売り出し中の若手有望株だ。

 このうち松永幹厩舎は3勝で、調教師別では3番目。全成績は〈3 7 3 19〉、連対率・313、③着内率・406と相性がいい。

 同期コンビのピンチヒッターにぴったり。託された手綱で見事にドラマをつくるか。

「主導権を取ってほしい」(松永幹師)

――青葉賞で重賞タイトルを獲得しました。
松永幹調教師「しぶとい面を見せてくれましたね。いい流れで引っ張って、最後までしっかりしていた」

――もともと期待は高かったんですか。
「ええ。それが、なかなか勝ち切れなくて、もどかしかった。3走前あたりから良くなってきましたね。以前みたくハミにもたれず、ケイコの動きも良くなった」

――中間の気配は。
「順調にきてますよ。1週前は坂路で。時計は目立たなかったけど、1頭目がほとんど行った後だし、もともと坂は動かないので」

――今回は横山武騎手に決まりました。
「若い人で行こうとなりました。結果も出していますしね」

――水曜のCウッド併せで初コンタクト。
「前半、あまり速くならないように。しまいはしっかり動いてましたね。思ったような感じでこれました」

――乗り方については。
「行ってもらおうと思います。スタート五分なら前へ。主導権を取ってほしい。その形で結果が出てるので」

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