ラサール石井
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ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

こまつ座「夢の泪」の稽古に奮闘中! 20年以上も前の作品なのに、今の日本への警鐘としか思えない井上ひさし作品

公開日: 更新日:

「困ったことに、ぼくらの選んだ議員たちが、議会で作ってしまうんですよ」

「議員になったとたん、ほとんどが別人格になってしまうらしい」

「8月15日の1週間前、8月7日に、すべての役所に、すべての文書を焼くよう、命令が出ていたんです」

「役所の文書には、ハンコや署名がついているでしょう。どの政策にはだれが責任を持つべきか、ハッキリしてしまう。証拠隠滅ね」

「雨もりでグチョグチョの防空壕住まいがまだゴマンといる。食料の配給はひと月もふた月も遅れ、でも政府はなにもしない」

 これなどまんま能登半島地震の被災地のことではないか。戦後間もない話、しかも20年前に書かれたのに、まるで現在、ただ今を書いているようである。

 これは井上先生の予言なのか、それとも日本が何十年も全く変わっていないのか。おそらくその両方であろう。

 現在はモノにあふれ、一見は幸せそうに見える日本だが、政治の世界は膿だらけ、多くの国民は貧困に喘いでいる。実は日本はあの瓦礫だらけの戦後すぐの世界と同じなのではないか。

 井上さんの芝居は全く古くならず、今も警鐘を鳴らし続けている。

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