著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」「大人のブルーハーツ」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた最新刊「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)が絶賛発売中。ラジオDJとしても活躍。

西城秀樹のスケールはシングル1枚に収まりきらないほどデカ過ぎる

公開日: 更新日:

 さらに8月には2度目となる大阪球場コンサート。さらにさらに11月には、日本人単独としては初の日本武道館コンサートを開くのだから、スケールがデカい。デカ過ぎ(ちなみにグループとして初の武道館公演はザ・タイガースの解散コンサート=71年)。

 またTBS系「寺内貫太郎一家2」の収録で、小林亜星との乱闘シーン撮影中に腕を骨折したというエピソードも、一種のスケール感の表れといえなくもないだろう。

 つまるところ、当時の西城秀樹の持つスケール、エネルギー、フィジカルを、シングル1枚にパッケージングすることなどできなかったのではないだろうか。

 しかし翌年「作詞:阿久悠、作曲:三木たかし」というチームが参画することで、事態は一気に展開。「君よ抱かれて熱くなれ」「ジャガー」「若き獅子たち」と、私が今でも覚えているような個性的なシングルを連発することになる。

 そして、大人びた愛を歌う「ラスト・シーン」で、西城秀樹は、新たなフェーズへと進み始める。


 本人のスケール感と楽曲のスケール感が、少しずつ肩を並べていくことになる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理