浅草橋「むつみ屋」→「西口やきとん」とはしご酒 脳裏に蘇った金髪姉ちゃんの豪快な笑い声

公開日: 更新日:

浅草橋(台東区)

 柳橋側から江戸通りを渡ると浅草橋。アタシら部外者はこの辺りをひっくるめて浅草橋と思っているが、どうも違うようだ。浅草橋は馬喰町、横山町からの問屋文化圏に属する。だいぶ少なくなったが「革ハギレあります」「アクセサリー小物卸」みたいな看板がいまも残っている。柳橋側の艶っぽい雰囲気はこちらにはない。柳橋にいまもそんな雰囲気が漂っているのは、日本人形の店が多いからではないか。

 そんなことを考えながら、浅草橋の名店「むつみ屋」の古い引き戸をガラリ。創業70年以上。変わらぬたたずまいはまさに街の文化遺産だ。アタシはずうずうしく4席しかないカウンターに陣取り、チューハイ(360円)としめサバ(550円)でスタート。「昭和24年に親父がこの店を始める前は、東神田で酒屋をやっていたんですよ」と2代目店主が話してくれた。その酒屋に飲みに来る客が増え、ここで飲み屋を始めたという。

「当時は飲み屋なんてなかった。一升瓶持って、量り売りで酒を買ってきて家で飲んだもんですよ。だからこの辺じゃ、うちが初めて」

 ここでカウンターの常連が「じゃ、かなり儲かったな」と口をはさむ。常連の旦那と昔話に花が咲き、気が付けばテーブル席も地元の会社の若い男女でいっぱいに。「この辺の店は、ほとんど代替わりして大手の飲食会社に貸しちまった。街も変わったね。客も変わったけど」と店主。新たな常連が入ってきたところで席を譲り、2軒目へ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  3. 3
    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

    17億円の損害賠償「払う気ない」と発言…「漫画村」運営者の言い分は通るのか

  4. 4
    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  5. 5
    浜崎あゆみの足の形は日本人の中では少数派だった! 過去には池田エライザも話題に

    浜崎あゆみの足の形は日本人の中では少数派だった! 過去には池田エライザも話題に

  1. 6
    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

    だれもが首をひねった 演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎

  2. 7
    浜崎あゆみ FNS歌謡祭で「Who...」熱唱も…またもや“別人疑惑”、「まさにwho?」の声も

    浜崎あゆみ FNS歌謡祭で「Who...」熱唱も…またもや“別人疑惑”、「まさにwho?」の声も

  3. 8
    木村拓哉ドラマはなぜ、いつもウソっぽい? テレ朝「Believe」も“ありえねえ~”ばっかり

    木村拓哉ドラマはなぜ、いつもウソっぽい? テレ朝「Believe」も“ありえねえ~”ばっかり

  4. 9
    「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

    「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

  5. 10
    明石家さんまSPドラマ『心はロンリー』はフジの“忖度接待”作品? 辛辣感想に誤解も混じる

    明石家さんまSPドラマ『心はロンリー』はフジの“忖度接待”作品? 辛辣感想に誤解も混じる