安倍昌彦
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安倍昌彦スポーツライター

1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

柿本蓮(投手・大阪桐蔭)春は「いかり肩」夏は「なで肩」

公開日: 更新日:

 この春のセンバツを見て、そして今夏の甲子園を見て、ガラッと変わっていて驚いた。

「投手」らしくなったなぁ……。それが正直な感想だ。

 春は、全体にゴツゴツしていた。常勝・大阪桐蔭のエース格だ。勝たなきゃいけない。もしかしたら、同僚の根尾昂よりいいとこ見せなきゃ……みたいな気負いが表に見えていた。速い球を、強い球を! そんな力みも感じられて、投球を見ているこっちが息苦しく感じるほどだった。

 それが、この夏は、いくらか「ふんわり」見えていた。

 春は、捕手のサインを見る時に、もう肩に闘志がにじみ過ぎて、「いかり肩」に見えていたが、夏の甲子園のマウンドでは「なで肩」になっていた。オレが普通に投げれば打たれない……。そんな自信と余裕が伝わってきた。

 ピッチング自体も変わって見えた。「強・弱」のメリハリが上手になった。打者の様子をうかがいながら「出力」の加減をしながら投げるから、球威とコントロールが長続きする。おおむね138~147キロの球速帯で速球を投げ分けるから、タテのスライダーが効く。スッと沈むボールを、低めのストライクぎりぎりからショートバウンドさせて振らせるテクニック。速球並みの強烈な腕の振りだから、打者は見極めがつかない。

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