“電鉄のおもちゃ”元凶は星野仙一氏が看破した親会社の体質

公開日: 更新日:

 阪神タイガースの親会社である阪神電鉄は、本業が鉄道事業だけに何より安全第一。タイガースの選手がわずか半年の間に2度も集団でコロナに感染、しかも合コンやルール破りの会食が原因という事実は、親会社にとって大きなダメージに違いないが、自業自得ではないかという指摘がある。

「コロナ禍で球界はいま、非常事態です。本来はフロントが厳しく選手を管理すべきなのに、阪神はそれができない。クチでイカンと言うだけで、基本的に嫌われることは言いたくない。多くは現場任せで、何かあったときの責任は取りたくないと考えている。そういう人たちをフロントに送り込んでいる親会社の責任も大きいと思いますね」と、元阪神球団社長である野崎勝義氏はこう言った。

「タイガースは状況によっては親会社以上に影響力がある。特別な子会社なのに、親会社はそうは思っていません。亡くなった星野仙一さん(元阪神監督)が『電鉄は球団をおもちゃのように見ている』と言っていましたが、まさにそういった位置付け。オーナーのおもちゃや趣味というか、トレードひとつにしてもオーナーの決裁が必要になる。タイガースという球団は影響力のある組織ですから、しかるべき人をフロントに置いたら、彼にすべてを任せて、うまくいかなかったときは彼に責任を取らせる。そうしないからフロントの責任者はオーナーの顔色ばかりうかがうようになる。球団の責任者には親会社と衝突するリスクを背負ってでも、言うべきことは言える人材を置くべきです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

  2. 2
    今オフ勃発「FA捕手大シャッフル」…侍Jの巨人・大城、SB甲斐を筆頭に中日、阪神も参戦か

    今オフ勃発「FA捕手大シャッフル」…侍Jの巨人・大城、SB甲斐を筆頭に中日、阪神も参戦か

  3. 3
    “辞めジャニ”野村義男は59歳で現役バリバリ!引く手あまたの秘訣は「第三の道」を歩んだこと

    “辞めジャニ”野村義男は59歳で現役バリバリ!引く手あまたの秘訣は「第三の道」を歩んだこと

  4. 4
    ロピア(下)埼玉の上場スーパー「スーパーバリュー」買収で“変身”した

    ロピア(下)埼玉の上場スーパー「スーパーバリュー」買収で“変身”した

  5. 5
    伊藤信太郎環境相は“ボンボン”2世議員…六本木の大豪邸、幼稚舎から慶応育ちで「弱者の気持ち」分かるワケなし

    伊藤信太郎環境相は“ボンボン”2世議員…六本木の大豪邸、幼稚舎から慶応育ちで「弱者の気持ち」分かるワケなし

  1. 6
    補選トップ当選の酒井なつみさん、政治って困窮者を守るためにあるんじゃないの?

    補選トップ当選の酒井なつみさん、政治って困窮者を守るためにあるんじゃないの?

  2. 7
    “エッフェル姉さん”は何しに豪州・韓国へ? GWに再び海外視察、松川るい事務所を直撃した

    “エッフェル姉さん”は何しに豪州・韓国へ? GWに再び海外視察、松川るい事務所を直撃した

  3. 8
    巨人・大城卓三が今オフ国内FA権行使か…監督交代で評価と立場が一変、出場数も激減

    巨人・大城卓三が今オフ国内FA権行使か…監督交代で評価と立場が一変、出場数も激減

  4. 9
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  5. 10
    「金」相場は歴史的な高騰に沸くけれど…次なる投資先に銀・プラチナはアリ?

    「金」相場は歴史的な高騰に沸くけれど…次なる投資先に銀・プラチナはアリ?