ソフトB馬原孝浩 09年大会の準決勝で投げた頃にはフォークイップスになっていた

WBC球は手になじまなかった（馬原）／（Ｃ）日刊ゲンダイ

　当初、原辰徳監督と山田久志投手コーチに「（藤川）球児か馬原を抑えにするから」と言われていた。いざ大会が始まると、馬原は八回、藤川が九回という役割。これが準決勝になると、八回の馬原はそのままだったが、九回はこれまで先発だったダルビッシュ有（日本ハム）が起用された。藤川は驚いただろうが、ダルビッシュ自身もビックリしていたという。

「僕も知りませんでしたし、誰にも知らされていなかったかもしれません」

　確かに「短期決戦は調子のいい選手を使う」は鉄則だが、突然クローザーを変更するのは勇気が必要だ。原監督の決断にベンチ中が驚いた。

　フィーバーを巻き起こしたイチローはこだわりがすごかったという。

■常に同じ場所に道具を置くイチローのこだわり

「イチローさんはロッカーやベンチにバット、グラブ、帽子といったあらゆる道具を必ず同じ場所に置きます。他にもそういう選手が多くて、僕は無頓着なので驚きました。イチローさん、松坂さん、城島さん、岩村明憲さん（レイズ）、福留孝介さん（カブス）の5人のメジャーリーガーの存在が、米国へ行ってから特に頼りになりました」