著者のコラム一覧
川端順広島東洋カープ 元編成グループ長兼編成部長

1960年3月19日、徳島県出身の58歳。鳴門高から法大、東芝を経て83年ドラフト1位で広島入り。3回のリーグ優勝に貢献。93~2005年に投手コーチ。その後フロント入りし、08~17年には編成グループ長兼編成部長。17年限りで退団し、昨年4月から出身地の徳島で岡田企画㈱が運営するOKスポーツクラブのコーチを務める。徳島県の中学、高校野球の技術指導員。大学、企業への講演活動も行っている。

広島元監督・阿南準郎氏を悼む。消えた外国人投手を捜しに大慌てで繁華街を歩き回った

公開日: 更新日:

 広島がドミニカ共和国に新設した「カープアカデミー」出身のロビンソン・チェコは1995年、前半戦だけで10勝(5敗)をマークした。

 しかし、8月22日のヤクルト戦は登板日にも関わらず、グラウンドに姿を見せなかった。

 当時、私は投手コーチ。慌てて選手寮に連絡を入れると「昨夜から帰って来ていない」と言う。他のドミニカ人選手に行きつけの店を聞き、当時、常務取締役球団本部長だった阿南準郎さんと2人で広島市内の繁華街・流川を捜索した。試合前のことだ。

 結局見つからず、私だけ先に広島市民球場に戻った。すると、試合開始直前になって、阿南さんがチェコを連れて球場に来た。

「朝まで飲んでいて知り合いの家にいた」

 こう言うチェコに対し、阿南さんは烈火のごとく怒った。

「プロである自覚、カープの選手である自覚を持て! カネの話はそれからだ!」

 事件の真相は「新たなボーナス契約を結んでくれなければ、今後は先発しない」と登板を拒否したことだった。球団側が「先発しないなら二軍へ行け」ときっぱり断ったことで、チェコ側は撤回したものの、後にも先にも阿南さんが怒ったのを見たのは、あの一度しかない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾