“天皇”金田正一さんの意外な素顔…豪放、豪快なイメージと真逆で、繊細な人だった

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 日刊ゲンダイではこれまで、多くの球界OB、関係者による回顧録や交遊録を連載してきた。

当事者として直接接してきたからこそ語れる、あの大物選手、有名選手の知られざる素顔や人となり。当時の空気感や人間関係が、ありありと浮かび上がる。

 今回は故・金田正一さんについて綴られた、巨人入団5年で101勝を挙げた城之内邦雄氏による「エースの心得とプロ魂」(第4回=2011年)を再公開。年齢、肩書などは当時のまま。 

  ◇  ◇  ◇

 私が4年目を迎える65年、国鉄スワローズ(現ヤクルト)から大投手が巨人に移籍してきた。すでに353勝を挙げ、14年連続20勝の記録を更新中だった金田正一さんだ。

 国鉄では「天皇」と呼ばれていた。豪放、豪快なイメージを持っていたが、実際はその逆。むしろ神経がこまやかで繊細な人だった。

 まず驚いたのは飲料水。水道の水をガブ飲みするのが当たり前の時代、キャンプでも遠征でも、ただひとり、当時は高価だったミネラルウオーターを必ず持参して飲んでいた。

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