村上宗隆や今井達也が驚くほど上位にランクされるFA市場の深層…今オフの特徴は3点に集約できる
メジャーリーグではFA市場が進行中だが、今オフの特徴は以下の3点に集約できる。
■目玉商品の不在
一昨年のFA市場は大谷翔平、昨年はフアン・ソトという目玉商品があった。それが市場を活性化させ、注目度を高める牽引役になった。しかし、今年は目玉商品不在の弱い市場になっている。「トレードルーモア」が発表したFA選手トップ50ランキングを見ると1位にタッカー、2位にビシェットがランクされているが、例年ならタッカーは3~5位くらい、ビシェットは10位前後にランクされるレベルの選手だ。市場の強弱を判断するバロメーターになるのはクオリファイング・オファー(QO)を受諾する選手の数だ。今回はこれまでで最も多い4選手が受諾したので、弱い市場になっていると見て間違いない。村上宗隆や今井達也が驚くほど上位にランクされているのも、今年はマーケットにめぼしい人材が少ないからだ。
■先発の出物が枯渇
特にいい出物が少ないのは先発投手のマーケットだ。ここ数年、多くの球団は中心打者に育った選手よりローテーション投手に育った者を優先的に長期契約でつなぎ留めるようになった。そのため「本物のエース」がFA市場に出るケースが激減し、今年はアストロズのエース、バルデスだけだ。シース、ギャレン、ジオリトらは以前はエースだったが、故障や球威の低下で現在は実力が平均レベルに低下している。そんな中で人気が集中する可能性があるのがコディ・ポンセだ。日本ハムと楽天に計3年在籍し、今年は韓国リーグのハンファで17勝1敗、防御率1.89という見事な数字を出した。来季は5年ぶりに先発投手としてメジャーに再挑戦するが、速球が以前より5~6キロ速くなり、変化球の質も格段に上がっているのでブレークする可能性がある。多くの球団が獲得に動いており、予想契約規模は2年2200万ドル~3年2400万ドルだったが、その倍くらいに膨らむ可能性もある。


















