「変わり兜 ―戦国のCOOL DESIGN」橋本麻里著

公開日: 更新日:

<戦国武将の兜に日本美の「B面」を楽しむ>

 戦国武将たちが競うように作らせ、愛用した奇天烈な兜(かぶと)の数々を集めた写真集。

 冒頭に登場する徳川家康の三河以来の忠臣、本多忠勝所用の「鉄黒漆塗十二間筋鉢兜(鹿角脇立付)黒糸威胴丸具足」は強烈なインパクトを放つ。兜から生えたかのように隆々とした2本の角がうねりながら頭上に伸びているのだ。

 その他、後ろに下がらないことから「勝虫」との異名を持つトンボを前立に、邪気をはらうとされた「馬藺(ばりん)(ねじあやめ)」の剣状の葉を後立に放射状に配した「鉄錆地帽子形兜」などの昆虫をはじめ、ウサギの耳、サザエやカニの爪など生き物をデザインしたものから、本物のクジャクの尾羽を使った兜、兜の上に巨大な五輪塔がのっているものやロボットアニメを髣髴(ほうふつ)とさせるもの、果ては金剛杵(しょ)という古代インドの武器を握った力強い腕を模したものまで、前衛アートばりの大胆さに目を奪われる。

 戦に命を懸ける武士たちは「自分をアピールするために、そして陣中に我こそありと敵を威嚇するために」こうした兜を身に着けたという。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  2. 2

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  3. 3

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 4

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  5. 5

    東京・赤羽、先行する第1地区に110メートル級、せんべろの1番街が丸ごと潰される危機

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

  4. 9

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  5. 10

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風