「里海資本論」井上恭介・NHK「里海」取材班著

公開日: 更新日:

「里海」とは、「人手が加わることによって、生物多様性と生産性が高くなった沿岸地域」のこと。瀬戸内海生まれのこの考え方は、海洋資源枯渇や汚染など海の問題の解決法として急速に海外にも広がりつつある。

 1970年代、瀬戸内海では沿岸のコンビナートから流れ込む工場排水による汚染で、年間300回近くも「赤潮」が発生。その瀬戸内海の救世主となったのが、浄水能力が高いカキの養殖だった。

 さらに漁師たちはアマモという海藻の森を海中に再生し、酸素を供給。こうした瀬戸内海の復活の取り組みに学びながら、行き詰まった20世紀型経済打開のヒントを、里海の思想に探す。

(KADOKAWA 800円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  2. 2

    風間俊介がジャニーズJr.のセンターの座を捨てて都立高校受験に専念した意外な理由

  3. 3

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  4. 4

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  5. 5

    侍J井端監督に大ピンチ!ヤクルト村上、阪神才木ら米挑戦組「WBC全員辞退」の可能性

  1. 6

    松重豊は福岡の人気私立「西南学院」から明大文学部に 学費の問題で日大芸術学部は断念

  2. 7

    そうだ、風邪をひけばいいんだ!減量に行き詰まった末、裸同然で極寒の庭へ飛び出した

  3. 8

    カムバック星野監督の“2カ月20kg”の無茶ぶりに「嫌です」なんて言えるはずもなく…

  4. 9

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  5. 10

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校