「みんなの猫暮らし」SE編集部編

公開日: 更新日:

「猫と家族の暮らし」をテーマにした人気インスタグラマーの作品を編んだ猫写真集。

 トップバッターは杜本家のザクロ(11歳♂)。2014年に生まれた息子「たい」君の成長を兄のように見守る白黒模様のザクロの姿がほほ笑みを誘う。

 生後2カ月の「弟」とほぼ同じ体格のザクロ。キャットタワーの上からベビーベッドのたい君を見下ろして「監視」をしていたかと思えば、近づいてちょっと手を出してみたり(もちろん爪はひっこめて)と、新しい家族が気になってしょうがない様子。たい君が成長してくると、耳をにぎられたり、枕にされたり、足を乗っけられたりと散々だが、ザクロはちょっと困った顔をしながらも逃げ出さない。いつも一緒。そんなザクロとたいの「兄弟愛」が伝わってくる。

 続くタテノ家の癒やし係は、ナツメグ(4歳♂)とハチミツ(2歳♀)の元保護猫2匹。どちらも生後3カ月で同家に引き取られ、今では兄妹、または恋人同士のように仲良く過ごしている。飼い主は「毎日がスペシャル。そして穏やかな暮らしが続いている」のは、「ふたり」のおかげだと感謝する。

 写真からもナツメグとハチミツの仲の良さと、彼らと過ごす日々の楽しさがにじみ出る。

 korokoronya家の作品は、幼稚園児の娘「ちびマメ」と彼女の兄貴分のキジ白「マメ」(推定11歳)と弟分のハチワレ「ゴマ」(推定6カ月)の日々。ちびマメは、幼稚園から帰ってくると手洗い、うがいの前にまずはマメのモフモフのお腹に顔をうずめてご挨拶。ちびマメに抱かれようが、顔を手で覆われようがされるがまま、兄の貫禄を見せつける。マメとは対照的に、ゴマは見るからにやんちゃそう。なんだかどっしりと構えるマメが、おてんばなちびマメときかん坊のゴマを本当の兄のように包容力豊かに見守っているように見える。

 他にも、エキゾチックな母娘とスコティッシュフォールドの「ブサカワ」3匹がいる清水家、ロンドンで暮らす黒猫のギネス(1歳♂)、パン教室の看板猫のアメリカンショートヘアの「めろん」(5歳♂)と白猫の「みかん」(2歳♀)など、10家族の猫のいる幸せな日常の一端を披露。

 自分の飼い犬がイチバンの愛犬家とは異なり、多くの愛猫家はよそさまの猫も自分家の猫と同じくらいに、いとおしく感じるという。それが昨今の空前のネコブームの理由なのか。本書もまた、猫好きにはたまらない一冊となることだろう。猫と暮らしていない人もページが進むうちに、きっと自分の家に猫がいる暮らしを思い描いていることだろう。(翔泳社 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?