「されど“男”は愛おしい」齋藤薫著

公開日: 更新日:

 人の美しさには、形の美しさと、清潔感が生む美しさの2種類がある。清潔感を保つことで〈国民的な好感〉を保ってきたのが〈フーテンの寅〉である。

 寅さんの身上である〈けがれなき情〉を伝えるために、映画のなかで無精ひげを生やしているイメージはなかったし、失恋して、何日も部屋にこもっていても、シャツの襟が汚れていたりすることはなかった。いつも恋が実らない寅さんは、美形であってはいけないが、清潔感が必要だったのだ。だが、美形で清潔感がある、清く正しくつまらない男は、〈面倒くさい感じ〉が生まれてしまう。

 人気エッセイストがモテる男の新基準を語る、タメになる本。(講談社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  2. 2

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  3. 3

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  4. 4

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  5. 5

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  1. 6

    開星(島根)野々村直通監督「グラウンドで倒れたら本望?そういうのはない。子供にも失礼ですから」

  2. 7

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  3. 8

    風間俊介の“きゅるるん瞳”、庄司浩平人気もうなぎ上り!《BL苦手》も虜にするテレ東深夜ドラマの“沼り力”

  4. 9

    前代未聞! 広陵途中辞退の根底に「甲子園至上主義」…それを助長するNHK、朝日、毎日の罪

  5. 10

    山下美夢有が「素人ゴルファー」の父親の教えでメジャータイトルを取れたワケ