「幻の料亭・日本橋『百川』」小泉武夫著

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 日本橋浮世小路にあった「百川」は、客がまず風呂に入ってから酒を飲むという一流の料理茶屋で、頼山陽、伊能忠敬、十返舎一九などの名だたる文人が交流する文化の中心地だった。

 幕末にペリーが浦賀に来航したときは、幕府から一行の供応を依頼された。アメリカ側300人、接待する日本の役人200人、計500人分で、今の金で1億5000万円! 江戸から皿や杯など7500個を運び、格調高い本膳料理で一行をもてなして無事重責を果たした。その後、百川は西洋料理も提供するようになるが、明治維新以降、なぜか忽然と姿を消す。「食の伝道師」小泉氏が幻の料亭「百川」の世界に読者を案内する。(新潮社 1300円+税)


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