「雪に撃つ」佐々木譲著
北海道警察本部大通署に自動車が盗まれたという通報があった。10年落ちのSUVで、自動車窃盗犯が狙うような車ではない。署内には、釧路で家出した少女が札幌に向かっているという連絡も入った。母親の再婚相手にセクハラを受けて逃げ出したのだ。
機動捜査隊には住宅街で発砲事件があったと110番通報があった。被害者は白っぽいワゴン車から発砲されたと言ったが、それは盗難車で自損事故を起こして放置されていた。捜査に当たった大通署の佐伯宏一は「オリーブ交流ハウス札幌」というプレートがかけられた住宅に目を留めた。
さっぽろ雪まつりの前日に起きた、無関係に思われたいくつかの事件が絡み合うサスペンス小説。
(角川春樹事務所 1600円+税)