(4)じわじわと胸に喜びが湧く
(二)
盥に汲んだ水の冷たさに、眠気がつかの間はじけ飛ぶ。
瞼が半ば下りかけていたが、美登里は「ヒッ!」と息を呑んで目を開けた。
慌ただしい夜だった。お蔓の後産も無事に済ませ、ほっとひと息ついて蔵前に戻ってみると、こちらはまだお産の最中だった。
真…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,328文字/全文1,468文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】