「終わらない戦争」小泉悠著
「終わらない戦争」小泉悠著
一向に出口が見えないウクライナ戦争をテーマにした専門家の対談集。
防衛研究所の千々和泰明主任研究官とは、この戦争の終わり方・終わらせ方を議論。キーワードとなるのは「現在の犠牲」と「将来の危険」だが、どちらをとっても、ロシア・ウクライナ双方ともに武器をおけない状況だという。その上で戦争終結のプロセスをなるべく早く、なおかつ公正なものとするにはどうするべきかを話し合う。
中国研究の専門家である熊倉潤教授とは、何かと似たところがあるロシアと中国の複雑な関係についてその体制を比較。
さらに防衛研究所の高橋杉雄防衛政策研究室長とは、4回にわたりその時々の戦況を分析する。
終わらない戦争と、世界秩序の行方を見つめた議論に専門家たちの思考プロセスを垣間見る。
(文藝春秋 935円)