“AKB商法”終焉か…惨劇で揺らぐ「会いに行けるアイドル」

公開日: 更新日:

 AKBのコンセプトは「会いに行けるアイドル」である。ファンと直接、触れ合える握手会が人気の源泉であり、国民的人気を獲得するまでに成長した原動力だった。それが今回はあだとなった。

 握手会は初回盤CDを購入したファンだけが参加できるため、大量のCDを購入するファンが続出。社会問題にもなったが、CD不況の時代にAKBだけがミリオンを連発し、数百億円ともいわれる巨額マネーを稼ぎ出してきた背景には、この握手会システムが大きく寄与したのは疑いようがない。しかし、今後は握手会も消滅危機だけに、こうしたAKB商法も終焉(しゅうえん)の時を迎えることになりそうだ。

■ファン心理をたくみに煽る錬金術

 実際、これまでさまざまなイベントを企画してはファン心理をたくみに煽(あお)り、CD購買やファン動員に結び付けてきたが、すでに限界に近づいていたという。

「最後はファンの良心や善意を信じるしかないだけに、母体が大きくなるにつれて、誰しもがいつかこんな事態が起こることを懸念していました。AKBの握手会が定着して以降、それを真似たアイドルグループが乱立。“接触系アイドル”の世界は今、行き着くとこまで行ってしまい、本当にヤバイ状況です。最近もエイベックスの『BIS』というグループが7月の解散を発表しましたが、このグループのウリはライブ後にメンバーと観客が汗まみれのまま抱き合う“ハグ会”。胸に顔をうずめる“胸ハグ”まで行っていた。勘違いするファンを生む土壌はそこかしこにある。素人アイドルは運営側がファン心理をどんどんエスカレートさせることでカネを使わせるシステムだけに、AKBだけではなく、いつどこで事件が起きてもおかしくない状況でした」(アイドル事情に詳しい芸能ライター)

 AKBは6月7日に最大行事である総選挙を控え、現在は投票の真っ最中。しかし、投票とはいえ「カネで買える投票権」だ。大人がいたいけな少女たちをアイドルという夢で釣り、暴漢の犠牲にした責任は重すぎる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”