読者への説得力が大事…芸能マスコミ「スクープ報道」の裏側
芸能界をひとつの会社とすれば、実に社内恋愛が多い。特に役者の世界は共演から恋愛、結婚にまで発展するケースは数知れずある。年明けに結婚した「杏・東出昌大」「菊地凛子・染谷将太」もしかり。歌手と違い役者の世界はドラマなどの撮影で長い期間、同じ時間を過ごす。気心も知れ、誘い誘われ恋に発展するのも道理。
女性誌がスキャンダルの宝庫だった時代。毎週行われるプラン会議にそうそうプランなどない。苦肉の策で、新聞のラテ番を見て、ドラマ共演者から「○○と○○が熱愛」とプランを出す記者もいた。そのまま記事にすれば、共演だけが根拠。無理がある。「女性誌は知り合いというだけで熱愛と膨らませて書く」と非難されたのも当然だろう。共演はあくまでもきっかけ。恋愛に発展するのは共演後のほうが多く、マークもそこから始まる。交際中を実証する情報を多く集めるかが記事にできる目安。女性誌の上手をいったのが写真誌の出現だった。「お泊まり」現場写真から、最近は「路チュー」まで撮る。写真だけで「熱愛」記事の完成となる。
元日に日刊スポーツが新春スクープした「綾瀬はるか・松坂桃李の熱愛」。2人も映画の共演がきっかけだが、具体的な情報はなく、「お互いの家を行き来している」という証言が熱愛を決定づけるものになっている。よほど信頼できる証言だとは思うが、決定的なものがないことが、いまだに物議を醸しているゆえんであろう。スポーツ紙との記事の作り方の違いはあれ、週刊誌だったら決定的な熱愛を裏付ける情報がない限り記事の成立は難しい。