井筒和幸
著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

小骨が喉に刺さり…救急ってなんでこんなに金がかかるんだ

公開日: 更新日:

 ネットで「救急病院案内」と打ち、電話の#7119番を知り、板橋区にある帝京大付属と日大付属の病院が最後の頼みの綱として残った。車で行けばどっちも20分ぐらいだ。日大に電話すると「咽喉科はあすならいます。お急ぎですか」ときたもんだ。「うわーっ、帝京大にかけるぞ!」とまた電話。やっと「喉に骨ですか。先生がいますから、すぐ来れるなら」と当直員が言ってくれた。

 夜の東京で喉に小骨が刺さると電話を10回以上はしなければならない。ゴクンとするとやっぱり痛い。すぐ車を飛ばした。たどり着いて、何階かに上がると、40がらみの医師がいてくれた。そばに白衣の天使たちも4人でぞろぞろ寄ってきて、「あらっ、カントクさんだ」と。「そう、逃げも隠れもしないカントク」と返すと皆が笑ってくれた。

 先に特殊なピンセット付きの内視鏡を鼻の穴から通され、モニター画像に全員が注目する中、医師が「あー、刺さってた」と言うやいなや、眼前に3ミリのV字の小骨を手のひらに載せて差し出してくれた。東京の夜を騒がせた悪党を指先でつまみ上げて見てると、看護師が「皆で記念写真いいですか」って。「分かったよ。小骨の思い出ね」と答えた。数年ぶりに気が安らぐ思いだった。でも、夏バテで魚の小骨にまでなぶられてしまった。700円のロケ弁が救急治療費1万5000円に化けたのも驚きだが、救急ってなんでこんなに金がかかるんだ? 保険料いっぱい払ってるのに、よー分からんわ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「実際のところ二刀流を勧める立場でもなければ、考えたことも、その発想すらなかった」

    「実際のところ二刀流を勧める立場でもなければ、考えたことも、その発想すらなかった」

  2. 2
    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

  3. 3
    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

  4. 4
    「結婚はまったく予想していませんでした。野球をやっている間はしないと思っていた」

    「結婚はまったく予想していませんでした。野球をやっている間はしないと思っていた」

  5. 5
    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

  1. 6
    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議

  2. 7
    GLAYのTERU“ホテル不満ツイート”が物議…ツアー最終日「気持ちが上がらない」にファン失望

    GLAYのTERU“ホテル不満ツイート”が物議…ツアー最終日「気持ちが上がらない」にファン失望

  3. 8
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  4. 9
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10
    小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」

    小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」