ダンシング・ヒーロー(前) DA PUMP「U.S.A.」のルーツ?
その代わり声質や歌唱力は抜群。社長も小学生ユニット「ミルク」の時から荻野目の声に惚れ込んでいて、何とかトップテンに入れるのが夢でした。レコーディングスタジオのロビーで荻野目に「もっとノリ良く歌え」って指導している姿をよく見かけましたから、社長も本当はビートのきいたリズム感のある曲を求めてるんじゃないかって……。
そんなある日、社長が私の勤めている会社に遊びに来ました。遊びにっていうか営業ですよね。で、僕のデスクに来て、「髙橋さん、引き出しの中にいろいろお宝をしまってるって噂だけど、なんかない?」と言うから、少し前に原宿の喫茶店の有線で聞いて「いい曲だな」と思い、レコード店で購入したEP盤を聞かせたんです。
そしたら社長、「これいい! ぜひ荻野目に歌わせてよ!」って大興奮。その曲こそ、後に「ダンシング・ヒーロー」としてカバーされる、イギリスの歌手アンジー・ゴールドの「イート・ユー・アップ」でした。
(つづく)
(聞き手=いからしひろき)