てれびのスキマ 戸部田誠
著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

嫌われても…「明石家サンタ」で学んだ八木亜希子の原点

公開日: 更新日:

 初めてのテレビ出演は「笑っていいとも!」。テレフォンアナウンサーとしてステージの隅に登場するはずが、緊張しすぎて真ん中まで出て行ってしまった。

「明石家サンタ」が始まったのは、入社2年後の90年。八木は番組立ち上げから抜擢された。けれど、当時は数ある特番のひとつ。それが30年近くも続くライフワークになるなどとは想像もしていなかった。

 フジ退社後、結婚してアメリカに住むようになったとき、さんまに「もうできなくなっちゃいますね」と話していたが、プロデューサーの三宅恵介には「別に辞めなくてもいいんじゃない? その都度、考えれば」と言われた。

 改めて、さんまに相談すると、「正解はない」という返事だった(「マイナビニュース」18年12月19日)。さんまは相手の選択を強制したりはしない。八木の気持ち次第だというのが、答えなのだろう。

 八木は「『サンタ』でアナウンサーとしての姿勢を学んだ」(文芸春秋「文春オンライン」17年6月3日)という。番組初期のある回で、さんまが「不合格」と判断して電話を切ったとき、八木は思わず「かわいそう」と口にした。それに対し、三宅から「どうしてそんなにいい子に見せたいの?」「別にいいじゃない、嫌われたって。相手に嫌われたって、見てる人にそれが正しければいいじゃない」と言われハッとした。

「目の前の人に好かれる、嫌われるじゃなくて、見てる人にフェアであることが大事なんだ」(同前)と。それはバラエティー番組だけでなく、報道や情報番組の司会を務める際も、八木の姿勢の原点になっているのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  2. 2
    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った

    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った会員限定記事

  3. 3
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  4. 4
    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

  5. 5
    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    石原裕次郎(12)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉

    石原裕次郎(12)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉会員限定記事

  3. 8
    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

  4. 9
    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた

    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた会員限定記事

  5. 10
    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」

    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」