松本まりか語る“苦節20年” 人生謳歌避けてきた10代、20代

公開日: 更新日:

 ドラマ「ホリデイラブ」(テレビ朝日系)の“あざとかわいい”主婦役でブレークし、昨年末には15年ぶりの写真集「月刊松本まりか 汀」(小学館)を出版した、松本まりか(35)。デビュー20年で開花、オファー殺到中の彼女を直撃した。

  ◇  ◇  ◇

 ドラマ「ホリデイラブ」では、かわいらしさを武器に主人公の夫に近寄り物語をかき乱すキーパーソンを演じ話題に。

「たまたま私が小劇場の舞台に出演していたのを担当プロデューサーが見てくださって。舞台では『ホリデイラブ』と同じような静かに壊れていく役を演じていたんです。それにしても、19年間あまりドラマに出演していなかった私をレギュラーにするなんて、プロデューサーさんも勇気ある方だなと(笑い)。とても感謝しています」

“かわいい”より“怖い”の方が圧倒的に多かった

 松本の怪演はネットニュースで話題になり、松本の名前とともに“あざとかわいい”というワードも話題に。

「かわいい、というより“怖い”と言われることの方が圧倒的に多かった気がします。いったい何が怖かったんだろう……(笑い)。ネットニュースってネガティブなイメージもありますが、私はネットニュースをきっかけにみなさんに知っていただけたので、どんな形容も楽しませてもらっていますし、とてもありがたいと思っています」

 今季はドラマのレギュラー2本を抱え、超多忙なはずが一転、コロナで撮影休止に。

「人生で3本の指に入るくらい忙しかっただけに、正直ショックでした。ドラマはまだ放映未定ですが、自粛前に番宣で出演したバラエティー番組が放映できてよかったですね。皆さんに少しでもエンタメとして楽しんでいただけたらと思っています」

私にとってこの20年は必要だった

「ホリデイラブ」(テレビ朝日系)の“あざとかわいい”主婦役に抜擢されるまではひたすら修業期間だったという。

 同世代には、蒼井優、宮崎あおい、山田孝之など10代で頭角を現した役者が多かった。

「15歳でデビュー以来、同世代はどんどん有名になっていくのに私は売れず。恥ずかしくて『女優です』なんて言えませんでした。でも売れないのは、自分の実力、人間力がないだけだと思っていました。今のこの未熟さで楽しむことなんてできないと、人生を謳歌することを避けてきた10代、20代でしたね」

 その間どのように過ごしていたのか。

「一流の仕事現場は若く多感な時期に最高の学びの場になるけれど、私にはそれがない。ならば自分で学べる場をつくろうと。現場という最高のステージを経験できている人たちにはかなわないから、厳しい環境に身を置きました。本を読み漁り、ヨガとダンスで週5回、ハードなクラスを連続して受けたり。ワークショップなど、とにかく皆の5倍も10倍も頑張らないとと思っていました。この身だけが私の“名刺”で“仕事道具”なので、チャンスが来ようが来なかろうが磨き続けたいと、もがく日々でしたね」

 苦節20年、ようやく花開いた。

「正直まだスタートしたばかりですが、私にとってこの20年は必要だったと思います。もし早いタイミングで波に乗ることができても、淘汰されていたでしょうし。今までの経験が支えになっているんじゃないかな。でも若い人には、ショートカットできるならその方がいいよ、ってアドバイスします(笑い)」

 今後のビジョンは?

「昔の『ロンバケ』のような王道の純愛ラブストーリーをやってみたいですね。悪女や癖の強い役が多いので、ピュアな恋愛って、なかなか想像されないんじゃないかなって。だから真逆を演じたら新しく感じると思うんです。たとえばすごく年齢差のあるカップルで、あらゆる世代の人たちが、思わずキュンとしてしまうようなドラマとか。私自身の今後としては、常に面白みのある人間でいられたらなと思います」

【写真】女優・松本まりか “あざとかわいい35歳”を大特写

(取材・文=岩渕景子/日刊ゲンダイ)

▽松本まりか 2000年に女優デビュー。18年1月期「ホリデイラブ」で話題になり、翌年上半期のYahoo!検索大賞女優部門でトップ3にランクイン。19年11月に写真集「月刊松本まりか 汀」(小学館)を出版。今季はドラマ「竜の道 二つの顔の復讐者」(フジテレビ系)、「捨ててよ、安達さん。」(テレビ東京系)に出演。

【サイン入りチェキを2人にプレゼント】

 希望者は、はがきに①好きなタレント、嫌いなタレントとその理由、②氏名、③住所、④電話番号、⑤年齢、⑥職業を明記の上、〒104―8007 日刊ゲンダイ芸能編集部「松本まりかプレゼント」係まで(5月31日必着)。賞品の発送をもって当選者の発表に代えさせていただきます。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  2. 2
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  2. 7
    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  5. 10
    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?

    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?