本多正識
著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

大木こだまひびき「チッチキチ~!」が全国区になった理由

公開日: 更新日:

 2005年のCMにも登場した「チッチキチ~!」も番組のロケで食レポ5軒ハシゴという強行軍で最後に表現する言葉が見つからず、思わず「チッチキチ~!」とワケのわからんことを言ってしまい、“なんのこっちゃ?”と終わったのですが……。後日「めちゃイケ」のロケで劇場へナイナイ矢部君が自慢のチャーハンを作って芸人さんの楽屋に届けて感想をもらう企画がありました。相方のひびきさんが感想をあまりに細かく言われて、言うことがなくなったこだま師匠は「チッチキチ~!」を連発。それを見たナイナイ岡村君が「おもしろい!」と番組内で連呼したことでおふたりが知らない間に大人気になり、東京の劇場で「チッチキチ~!」と言ったら大喝采。ご本人たちが一番びっくりされたそうです。

 人気のギャグやフレーズは、意外とこういう経緯で生まれることが多いものです。

 私も何本かおふたりの台本を書かせていただきましたが、30年近く前、大好評だったのに1回でお蔵入りしたネタがありました。それは時代劇「水戸黄門」の映像を劇場のスクリーンに流し、その場面にツッコむというもので、たとえば「控えおろう!」と言われた悪人集団がその場で平伏せずに自分の場所を探してそこへ行ってから平伏するというシーンを見て「スッとしゃがんだらええのに、自分の場所探しとんねん!」というこだまさんのツッコミで大爆笑に。ところが、ずいぶん前から頼んでおいた使用許可を取ることを担当者が忘れ「あかんあかん!(許可)まだ取ってへんからやらんといて!」とそれきり封印されました。おそらく許可が下りなかったか使用料が高かったのでしょうが、今となっては笑い話です。

 劇場はもちろん、関西の漫才番組では欠かせないおふたり、これからも円熟の舞台を長く続けていただきたいと思います。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  2. 2
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  2. 7
    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  5. 10
    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?

    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?