「節の後に落語をやるのはかなわん言うてね。志ん朝師匠もそうみたいでしたね」

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 浪曲の「間」は、他の演芸と同様、非常に微妙なものだ。吉本興業所属の幸枝若が出ていたうめだ花月やなんば花月のような劇場と、浪曲師だけが集って競演する大会とでは、演じ方が違うという。

「吉本系の劇場ばかりでやってたので、いざ浪曲大会で本寸法に語ったら、間が早すぎて、いつも拍手が来る節もケレン(笑いを取るところ)も受けない。『そうか、間が早すぎるんやな』と気づいた。漫才や落語と同じように早間でやってたんです。もっと間を取らなあかんかった。これも勉強になりました」

 初代幸枝若の人気は凄かった。NHKで毎年放送される「東西浪曲大会」に出演する2人の関西代表のうち、1人は常に初代であった。私が見たのもテレビで、その節に聴き惚れてファンになった。人気落語家の古今亭志ん朝がひいきにして、東京に招いて2人会を開いたこともある。

「大阪では笑福亭松鶴師匠と2人会をやってました。松鶴師匠が先に出て、初代が後に出る時の師匠は楽そうやけど、初代の後に出る時はやりづらそうでしたな。節の後に落語をやるのはかなわん言うてね。志ん朝師匠もそうみたいでしたね」

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