映画評論家・前田有一「日本映画はなぜ韓国映画に勝てないのか」

公開日: 更新日:

 Netflixが、エンタメ界の話題を総ざらいする状況が続いている。中でも同社史上最大のヒット作となった韓国ドラマ「イカゲーム」の収益が1000億円を超えたニュースは、映画関係者にとっては衝撃だろう。彼らは年間2兆円以上といわれるコンテンツ制作費を武器に、次々とこうした話題作を発表し続けている。

 ただ、映画にしろ配信にしろ、日本人として悔しいのは、話題の中心となるのが最近は韓国作品ばかりという点だ。「パラサイト 半地下の家族」がカンヌ映画祭と米アカデミー賞で最高賞を受賞して以来、世界のエンタメ界における存在感において彼我の差は広がるばかり。

 最近では世界どころか日本国内のNetflix視聴ランキングでも、ベストテンの上位および過半数を韓国作品が占めている状況だ。「イカゲーム」以降も「地獄が呼んでいる」などヒット作が続き、すっかり人気と高評価が定着した感がある。

■Netflixは巨額の制作費を現地に落とす

 韓国の好調の背景には、Netflixが5億ドルもの予算を韓国作品に投じるなど、同国を重視している点がある。北米での契約会員数が飽和に至り、新規会員獲得をアジアに期待するNetflixの戦略によるものだが、同じ立場の日本以上に韓国は結果を出しているようにみえる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「実際のところ二刀流を勧める立場でもなければ、考えたことも、その発想すらなかった」

    「実際のところ二刀流を勧める立場でもなければ、考えたことも、その発想すらなかった」

  2. 2
    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

  3. 3
    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

  4. 4
    「結婚はまったく予想していませんでした。野球をやっている間はしないと思っていた」

    「結婚はまったく予想していませんでした。野球をやっている間はしないと思っていた」

  5. 5
    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

  1. 6
    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議

  2. 7
    GLAYのTERU“ホテル不満ツイート”が物議…ツアー最終日「気持ちが上がらない」にファン失望

    GLAYのTERU“ホテル不満ツイート”が物議…ツアー最終日「気持ちが上がらない」にファン失望

  3. 8
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  4. 9
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10
    小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」

    小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」