春風亭一之輔はマンネリ「笑点」を2カ月で立て直した!やっぱり“令和の名人”か
それにしても、一之輔が笑点レギュラーを引き受けたのは、どんな読みなのだろう。正統のイメージにマイナスであることは、本人も十分承知しているはずだ。「落語好きからは、本来の形ではないといわれる。だが自分の顔を日本中の人に認識してもらえるし、世界にも配信される。普段の芸を見てもらえるし、落語家を知ってもらう努力を少しでもしなければと思った」と語っている。
「寄席の割(ギャラ)は主任(トリ)の真打ちでも、多い時で数万円。客の入りが悪ければ、1万、2万という時もあります。一之輔クラスでも、寄席の収入だけではやっていけません。いや、人気者になるほど、着物もいいものをこしらえなければならないし、師匠やひいき筋への挨拶は増える。お囃子や裏方へのお礼、弟子への小遣いも弾まなければならないので、むしろ出費はかさみます。ホールなどの演芸イベントや独演会の収入で賄うわけですが、そのチケットの売れ行きを左右するのが知名度と話題性。そのプロモーションとして、『笑点』は最強ですよ」(前出の演芸評論家)
一之輔にとって、台本もある「笑点」は片手間仕事だろうが、高座のような“毒気”はセーブしているようだし、テレビの印象は強烈だから、自分が思っている以上に色がついてしまうかもしれない。