NHK大河「どうする家康」にもう一つの楽しみ方 日本国憲法の理想と現実が裏テーマ?

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来年の裏テーマは「女性天皇」か

 家康が夢見る「戦なき世」は、さしずめ憲法の平和主義だが、そんなのは絵空事だという反論も登場する。関ケ原の戦いで敗れ、捕らわれた石田三成は、第45話で家康に向かってこう吠える。

「思い上がりもはなはだしい。あなたこそ戦乱を求むる者。戦なき世などなせぬ。まやかしの夢を語るな」

 これなどは改憲論と読める。果たして、脚本の古沢良太やNHKは憲法論争をイメージして制作したのだろうか。「かなりうがった見方になりますが」と断ったうえで、ある放送作家はこんな推測をする。

大河ドラマの企画は放送の数年前に決まるのですが、故安倍元首相が旗振り役になって、今年あたりは改憲の動きが激しくなると読んで、それにぶつけたと考えることはできます。安倍さんの横死で流れは変わりましたが、『どうする家康』は日本国憲法の理想と現実が裏テーマとみてもいいんじゃないですかね」

 家康は大坂城攻めでは大筒で天守を砲撃するが、岸田首相が憲法を歪曲して進めているミサイルによる敵基地攻撃能力はこれだ。

 さて、来年の大河ドラマ「光る君へ」は、源氏物語の作者・紫式部の生涯を描く。果たして裏テーマはあるのか。平安時代の宮廷と貴族のドラマだから、「女性天皇」をめぐる賛否やエピソードかも。

 来年は「愛子天皇」が話題になりそうだし、岸田首相は皇位継承を議論する会議を設置すると発表している。タイミングはいい。

(コラムニスト・海原かみな)

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