「セクシー田中さん」の悲劇に“粗製乱造”の弊害…原作者と日テレ制作側の溝は埋められなかったか

公開日: 更新日:

 なんとも痛ましい結末に波紋が広がっている。

 ドラマ「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんが脚本家の書いた内容に納得がいかず、最後の2話の脚本を自ら書いたうえ、その経緯をSNSで説明した後、1月29日に亡くなった。

 日本テレビは29日、同作の公式サイトで哀悼の意を表するとともに、「日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております」と発表。しかし、ネット上では、「日テレのコメントが残念すぎる」「自己弁護が過ぎる」と批判が相次いだ。

■粗製乱造されている感は否めない

 一方、多くの漫画家や脚本家が、X上でこの件に関する感想や意見を書き込む事態に発展。テレビコラムニストの桧山珠美氏はこう話す。

「今は配信や深夜のドラマなども含め、本当に漫画原作のドラマが増えている。現場は時間に追われ、粗製乱造されている感は否めない。#Metoo運動ではないですが、原作者と制作者のこうした行き違いは今後さらに出てくるかもしれません。亡くなった芦原さん原作のドラマで言えば、『砂時計』というのが、2007年にTBSで実写化されていて、すごくよかったんです。その後、映画化もされ、原作の漫画も読んだけど、そちらもよかった。今回の件の詳細は分かりませんが、まだ作品が続いている中で、原作者としては、自分の作品を大切にしたかったのではないか。いずれにせよ、ファンにとっては、この後の話の続きも読めなくなってしまったわけで、残念でしかありません」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  2. 2
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  3. 3
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    別居情報を払拭?福山雅治の妻・吹石一恵の幸せ自粛ライフ

    別居情報を払拭?福山雅治の妻・吹石一恵の幸せ自粛ライフ

  1. 6
    堀江しのぶがスキルス性胃がんと判明 余命2か月の宣告に…

    堀江しのぶがスキルス性胃がんと判明 余命2か月の宣告に…

  2. 7
    原田美枝子「女優生活50年」で紫綬褒章の感慨…夫・石橋凌の“隠し子騒動”乗り越えて

    原田美枝子「女優生活50年」で紫綬褒章の感慨…夫・石橋凌の“隠し子騒動”乗り越えて

  3. 8
    政権に忖度するテレビ朝日に「株主提案」で問題提起 勝算はあるのか…田中優子さんに聞いた

    政権に忖度するテレビ朝日に「株主提案」で問題提起 勝算はあるのか…田中優子さんに聞いた

  4. 9
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  5. 10
    あえてGWに「裏金不起訴」で大炎上!萩生田光一氏と世耕弘成氏を待つ“市民感覚”の鉄槌

    あえてGWに「裏金不起訴」で大炎上!萩生田光一氏と世耕弘成氏を待つ“市民感覚”の鉄槌