松尾潔
著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

AYA SHIMAZU名義で世界デビュー 「歌怪獣」島津亜矢さんを巡る奇跡

公開日: 更新日:

 歌手の島津亜矢をとりあげた3月3日の『情熱大陸』(TBS系)が大きな反響を呼んでいる。10日までTVerで無料視聴できるので、未見の方はご覧になることを強くお勧めする。

 番組は、本領の演歌だけではなく、AdoYOASOBIなどの最新ポップスからアニメソングまでを超絶技巧で歌いこなしてきた亜矢さんが、いま新しい挑戦に向き合う姿を追った。その挑戦とは、「ソウルの女王」と呼ばれるアメリカ人女性シンガー、アレサ・フランクリン(2018年没。享年76)の代表曲をカバーしたアルバムの制作。アルバムのプロデューサーであるぼくには、放映中から連絡が相次いだ。番組にちらりと出ていたせいもある。数日経ったいまでも、会う人会う人から番組の感想を聞く。ふだん音楽とはあまり縁のない方から業界人までが異口同音に語るのは、「(島津亜矢が)前からうまいとは思っていたけれど、まさかここまでとは!」という驚きである。

 島津亜矢の規格外のうまさを最も端的に言い当てたのは、タレント、俳優、そしてミュージシャンとしてマルチに活躍するマキタスポーツさん。彼は15年のNHK紅白歌合戦で初めて亜矢さんの歌声にふれたという。曲は彼女の地元・熊本の方言が歌詞に織り込まれた「帰らんちゃよか」。そのときの印象をマキタスポーツさんは22年の本紙で生々しく語っている。「細かい息遣い、歌っていないところでもバイブレーションが聴こえてくる感じ。歌い尻もきれいで伸びる。それからマイクですね。亜矢さんは胸の位置から動かさないで、強弱をつける。すごいなあと思いました」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  2. 2
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  3. 3
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    別居情報を払拭?福山雅治の妻・吹石一恵の幸せ自粛ライフ

    別居情報を払拭?福山雅治の妻・吹石一恵の幸せ自粛ライフ

  1. 6
    堀江しのぶがスキルス性胃がんと判明 余命2か月の宣告に…

    堀江しのぶがスキルス性胃がんと判明 余命2か月の宣告に…

  2. 7
    原田美枝子「女優生活50年」で紫綬褒章の感慨…夫・石橋凌の“隠し子騒動”乗り越えて

    原田美枝子「女優生活50年」で紫綬褒章の感慨…夫・石橋凌の“隠し子騒動”乗り越えて

  3. 8
    政権に忖度するテレビ朝日に「株主提案」で問題提起 勝算はあるのか…田中優子さんに聞いた

    政権に忖度するテレビ朝日に「株主提案」で問題提起 勝算はあるのか…田中優子さんに聞いた

  4. 9
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  5. 10
    あえてGWに「裏金不起訴」で大炎上!萩生田光一氏と世耕弘成氏を待つ“市民感覚”の鉄槌

    あえてGWに「裏金不起訴」で大炎上!萩生田光一氏と世耕弘成氏を待つ“市民感覚”の鉄槌