吉田隆
著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<6>ドン・ファンの会社「アプリコ」の従業員同士の関係は非常に希薄だった

公開日: 更新日:

 野崎幸助さんの会社「アプリコ」は、朝5時から18時まで、年中無休で営業していた。何百軒もある市内のスナックからの注文も受け付けていたので、電話はひっきりなしにかかってくる。6人の従業員は多忙を極めた。

 ただし、一般的な会社と異なり、従業員同士の関係は非常に希薄であった。酒の配達の仕事で、それぞれ勤務時間がバラバラであることも一因であろうが、会社のまとまりというのはなかったし、会社を発展させようと考える者もいない。すべての決定権をドン・ファンが握り、「何を言っても無駄だ」という雰囲気を醸し出していたことも、大きかったように思う。

「うるさい、オレが決めるんだから。嫌なら辞めてもいいですよ」

 提言してもそう言われてしまっては、だれもが「面倒なことに巻き込まれたくない」と思うようになる。従業員同士で飲みにいくこともほとんどなく、皆がワンマン社長の顔色をうかがうような会社であった。 

 早朝から酒の販売のために出掛けていく従業員もいるので、常時デスクにいるのは経理担当で金庫番の佐山さんだけ。彼女は遠慮なく社長に進言するタイプなので、ドン・ファンも苦手だったらしく、彼女の出勤前に自宅に戻り会社で顔を合わせないようにすることも少なくなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  2. 2
    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った

    スッカラカンになって帰国のはずが…ラスベガスのカジノで勝った会員限定記事

  3. 3
    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  4. 4
    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

    なぜ15大会のスポンサー企業は日本女子プロゴルフ協会に“抗議文”を送ったのか

  5. 5
    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

    1場所4人じゃ終わらない…元横綱白鵬の旧宮城野部屋勢“廃業ラッシュ”はこれからだ

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    石原裕次郎(13)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉

    石原裕次郎(13)慶応病院に入院…同乗したエレベーターを降りる際に掛けられた言葉会員限定記事

  3. 8
    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

    ミス・インターナショナル 特派員協会で「涙の訴え」のワケ

  4. 9
    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた

    (26)第3作「男はつらいよ フーテンの寅」では寅さんを地面に叩きつけた会員限定記事

  5. 10
    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」

    元衆院議員・若狭勝氏は女帝と断絶して7年「今は本当に幸せ」