試験勉強は過去問で出題傾向をつかむのが先…出題率上位20%の問題で50%得点が可能に
「記憶力がないから成績が上がらない」「記憶力がないから仕事でもミスをする」……。
こんなふうに、もともとの記憶力や暗記力が悪いから、勉強や仕事で思うような成果を出せないと悩んでいる人は多いと思います。しかし実は、もともとあなたが持っている記憶力はそのままで、望む結果を手に入れることは十分に可能です。脳の仕組みを研究した精神科医の樺沢紫苑さんが、「記憶」と「学び」について20年以上試行錯誤してたどり着いたノウハウをわかりやすくまとめた『記憶脳』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けします。
■出される問題の傾向をつかむ
もしあなたが、試験に出題される問題を事前に知っているとしたら、何点とれるでしょう?100点がとれますよね。
国家試験に出される問題が事前に漏洩したとすれば、それは大問題になるでしょうが、現実には、出される問題はある程度は予想がつきます。「過去問」と呼ばれる、過去の試験の問題集。これを研究することで、試験のだいたいの傾向をつかむことができるからです。
試験に出そうな部分を予想することを「ヤマを張る」といいますが、私にはあまりいい表現とは思えません。「ヤマを張る」というのは、イチかバチかの博打ばくちをするようなものですが、「出される問題の傾向をつかむ」ことに、当たりハズレはありません。
「今年、出された全ての問題が、過去の傾向から外れていた!」ということはあり得ない話です。数問はそうした珍問、奇問が出題されることはあるかもしれませんが、大部分は「過去の出題傾向」の路線から外れることはないでしょう。
国家試験、資格試験などでは、こうした出題傾向を分析した本が必ず発売されていると思いますが、重要なのはこうした「出題傾向を分析した本」に頼らずに、自分で過去問にあたり、自分で傾向をつかむということです。
このように自分で傾向をつかむことで、「ここは出そうだ」「まず、ここは出ないだろう」ということが、自然に見えてくるのです。