「将来見据えた倹約主義ってヘンですか?」妻のお出かけ願望が理解できない30代男
結婚2年目…妻のこだわりのせいでお金が貯まらない
「冷酷と激情のあいだvol.194〜女性編〜」では、結婚早々に節約生活を強いられている生活に嫌気が差している新妻・果穂さん(30代後半・仮名)の悲痛な声をお届けしました。
夫であるシュンさん(同・仮名)の唯一の娯楽は、夫婦における性生活だとしか思えないと話す果穂さん。では、シュンさんは、妻との関係についてどう考えているのでしょうか。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「思ったよりも結婚生活って、大変ですね。想像していた以上に、お金がかかります。
家賃とか日用品費とかは一人暮らしよりもコスパがいいと期待して結婚をしたのですが、女性って化粧品とか日用品とか、こだわりがあるじゃないですか?
だから、シャンプーひとつ買うのにも、妻が使ってくれそうな銘柄を選ばないといけないから、僕が思うほどには節約がうまくいっていません」
趣味は貯金
お金を貯めるのが趣味だと話すシュンさんは、若い頃に「30代までにやりたいことはやり尽くしたから、40代になってからは、老後資金を貯めるのが楽しみになった」とのこと。
「僕、若い頃はけっこう浪費もしたし、欲しいものはバンバン買うタイプだったんですよ。だけどそうやってお金を使っても、そのときは楽しくても、あとには何も残らないことが多いなぁ…って気づいたんです。
だから結婚したら絶対にしっかり節約生活をするって決めていたし、果穂は派手な女性ではないから、僕の金銭感覚やスタイルに合う女性だと思って選びました」
独身時代よりも倹約したほうがいいのに
ところがシュンさんの目論見は外れてしまい、果穂さんが思ったよりも浪費家タイプだったことに、今は少し驚いていると話します。
「外食とか遠出とかしたがる性格じゃないと思っていたのに『月に何度かはそういうことをしたい』って言われたときには驚きましたね。
付き合っているときには、おうちデートでも楽しそうにしていたのに、なんで結婚したら出かけなくちゃいけないのか、僕にはまったく理解できなくて。
むしろ結婚したら、独身時代よりも倹約して生活したほうがメリットは大きいと思うんですが、果穂にはそれがわからないみたいです。
『あなたと結婚をしてから、好きな化粧品が買えない!』って泣きながら文句を言ってきたときもあったんですが、こっちからしてみればちゃんと小遣いは渡しているから、普段から節約しないからそうなっているだけじゃないの? って呆れちゃいました」
抱いても喜んでくれない
ふたりで過ごす毎日が当たり前となった今、シュンさんは妻との生活をなんとかして軌道に乗せたいそうですが、ここへきて心がすれ違っているのも感じているのだとか…。
「妻を抱いても、妻が喜んでいるようには見えなくて虚しくなりますし、普通に家にいるときにもギスギスとした会話ばかりで、一緒にいても楽しくありません。
もっと心が通い合う夫婦になれると思ったから結婚を決めたのに、今では他人以上に心が離れている気がします。
果穂には、将来に向かって夫婦で一緒にお金を貯めよう! という気持ちもなさそうに見えるし、なんだか虚しくて仕方ないですね。
お恥ずかしい話ですが…、せめて体くらいは繋がっていれば、心が通い合うかなと思って、疲れていても頑張って妻を抱いた日もあったんですよ。
だけど妻はそれすらも気に入らないみたいで、不機嫌な顔しか見せてくれません」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)