首位Jフロントの百貨店売上は6割 近づく不動産業への転換
「奥田さんがJフロント社長を務めたのは6年。山本さんはそれを超える7年になり、年齢も69歳になっていた。若返りを図らなければ、この非常時は乗り切れないという判断があったのです。とはいっても、好本さんもすでに63歳と決して若くはないのですが」(前出・中堅社員)
好本氏は大丸の基幹店の心斎橋店に20年近く勤務。現場を隅から隅まで知り尽くしている人物だけに、脱百貨店とは逆行する起用にも思える。
「企画畑での経験も豊富だし、2013年に事業会社の大丸松坂屋の社長に就いてからは、山本社長の右腕として、店舗の開発や不動産事業を精力的にこなしてきた。ギンザシックスや、昨年秋、86年ぶりに建て替えた心斎橋店本館は好本さんが中心になって手がけたものです」(中堅社員)
今回の人事で注目されるのは好本氏の社長起用だけではない。Jフロントの執行役常務で経営戦略統括部長などを務めていた澤田太郎氏を取締役執行役専務兼大丸松坂屋社長。取締役兼執行役常務でパルコ社長だった牧山浩三氏を取締役兼執行役専務に昇格させたのだ。なお、牧山氏は引き続きパルコ社長を兼任する。