“電撃引退”の男子フィギュア町田樹 決断に「2つの事情」
先月28日の全日本選手権終了後、まさかの現役引退を発表した男子フィギュアの町田樹(24)。昨年のソチ五輪では5位に終わったものの、18年の平昌五輪(韓国)では羽生結弦(20)と共にメダルが狙えると思われていただけにフィギュア界には激震が走った。
しかし、関係者の中には町田の決断を「当然」とみる向きもある。
現時点で町田の最大のライバルは4歳年下の羽生だが、ソチ五輪金メダリストとの実力差は歴然。全日本選手権では最終的に40点以上もの大差をつけられた。羽生の方が年齢が若い分、今後の伸びしろも見込めるし、全日本選手権で羽生に次いで2位に食い込んだ宇野昌磨(17)を筆頭に10代の若手も台頭しつつある。今年3月で25歳になる町田が年下の選手に差をつけられていくのは時間の問題だった。
引退を決めたのは、こんな理由もあるという。
「女性ファンから圧倒的な支持を得ていた高橋(大輔)の引退で、男子フィギュアの人気は昨年から陰りが見え始めています。樹(町田)は羽生と共に、今後のフィギュアブームを牽引する役割を担わされていましたが、それも嫌だったはず。もともと本人はファンや関係者の間で『氷上の哲学者』と呼ばれていたようにマジメで堅物。実際にドイツの哲学者ヘーゲルの『美学講義』が愛読書という変わり者。国内のスケート事情を気にする性格ではないですから」(スケート関係者)
今年4月には早大大学院に進学し、将来は研究者も視野に入れる町田。第二の人生の方が天職かもしれない。