記録分析のプロ解説 黒田が米で勝ち越せなかった2つの理由

公開日: 更新日:

 黒田博樹広島)はメジャー7年間で211試合に先発しているが、同期間で200先発以上は21人しかいない。メジャーは30球団だから黒田の頑丈さはすこぶる高い評価なのだ。

 最近5年間すべてが30先発以上。故障知らず。いつしかエースとみなされヤンキースの選手間ではイチローよりも尊敬を集めていた。QS(クオリティースタート。先発して6回以上、3自責点以下)の103試合は9位。僕はNHKラジオで評論するたび黒田の優秀さを訴え続けた。年齢リスクがなければヤンキースは年30億円の複数年契約を提示しただろう。

 メジャー通算79勝右腕もことし2月で40歳になった。結局約20億円の単年提示にとどまり、黒田はそれを蹴って古巣の広島へ復帰する道を選んだ。野茂英雄に続く、日本人投手として2人目のメジャー通算100勝をあきらめてしまった。

 残り21勝が遠く感じられたのには理由がある。黒田が登板する試合に限って、野手が打ってくれないのだ。最近5年間で援護が2点以下だった試合が登板の約4割。先発160のうち63試合に上り、両リーグでヘルナンデス(マリナーズ)の65試合に次いで多かった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    今オフ勃発「FA捕手大シャッフル」…侍Jの巨人・大城、SB甲斐を筆頭に中日、阪神も参戦か

    今オフ勃発「FA捕手大シャッフル」…侍Jの巨人・大城、SB甲斐を筆頭に中日、阪神も参戦か

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  4. 4
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  5. 5
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  1. 6
    “辞めジャニ”野村義男は59歳で現役バリバリ!引く手あまたの秘訣は「第三の道」を歩んだこと

    “辞めジャニ”野村義男は59歳で現役バリバリ!引く手あまたの秘訣は「第三の道」を歩んだこと

  2. 7
    巨人・秋広が今季初昇格も阿部監督「全く期待していない」…のんきな性格がアダで早くも背水の陣

    巨人・秋広が今季初昇格も阿部監督「全く期待していない」…のんきな性格がアダで早くも背水の陣

  3. 8
    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

  4. 9
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

  5. 10
    人間性やスタンスが如実に表れたMLB挑戦時の「西海岸かつ小規模都市」へのこだわり

    人間性やスタンスが如実に表れたMLB挑戦時の「西海岸かつ小規模都市」へのこだわり