“省エネ投法”転換のオリ西勇輝 「今季初完封」が遅れた理由
「チームが連敗していたので、それを止められるように気持ちを出して投げました」
24日のロッテ戦。今季2勝目を初完封勝利で飾った右腕は、お立ち台で満面の笑みを見せた。
昨季は開幕からの8連勝を含め計12勝を挙げたものの、8月1日のロッテ戦を最後に5連敗。すっかり勝ち星から見放されると、チームが6年ぶりに出場を果たしたクライマックスシリーズ(CS)でも白星は飾れず、自身2度目の2ケタ勝利も素直に喜べなかった。そこで、今春キャンプでは「いかにシーズンを通して安定した成績を残すか」をテーマに方策を模索し、試行錯誤の末に出した結論が「省エネ投法」への転換だった。
「シーズン終盤までのスタミナを考えると、ボクの場合は1試合での球数を極力減らし、後ろ(の投手)に託すかでしょう。ウチには平野(佳寿)さんをはじめ、素晴らしい救援陣がいる。終盤まで試合をつくれば勝てる可能性は高いですから」(西)
が、その狙いは外れ、開幕直後から救援陣の故障者が続出。守護神の平野佳やセットアッパーの比嘉、佐藤達、岸田らが相次いで不在となり、思うように球数を減らすことができなかった。西は4月以降の4試合で計6失点。1試合平均1.5失点にもかかわらず、ここまで1勝しか挙げられなかったのはそんな誤算があった。それがこの日は計108球での5安打完封勝利。今月に入って、大半の救援陣は戦列復帰し、この日の勝利でチームの連敗も「4」で止めた。
西の勝ち星もここから量産が始まるか。