川淵三郎氏が力説 「有明アリーナは黒字経営確実」の根拠

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Bリーグの観客数は水増しではありません

――その点、バスケットボールのBリーグの将来性はどうですか。観客は増えているのでしょうか?

 Bリーグ発足前の各クラブの観客数は1500から2000人といったところでした。観客を動員するためにタダで配っていたチケットもありました。しかし、今は違います。B1リーグ加盟チームはホームアリーナの収容人数を5000席以上と決めてある。どこのチームも必死になってチケットを売り、観客を集めています。各チームは広告宣伝に力を入れ、またチケットを売るプロフェッショナルのスタッフをリクルートしてきて、体制を整えていますよ。発足したばかりの話題もあるし、Bリーグ自体の人気もあるから、実数で2倍以上の観客を動員しています。

――それは水増しした数じゃないんですか?

 それが違うんだ。各クラブはBリーグ本部に観客動員数を報告するとともに入場料収入の3%を納入することになっている。もし、水増しした数を報告したら、お金をたくさん払わなきゃいけないから、1の位の数字まできちんと合わせてくる。そういうことって意外と大事なんですよ。

――わかりました。しかし、まだBリーグを見たことのない人の方が多い。名前を知っているプレーヤーも、はっきり言うと、いません。

 確かに、まだ一般的な人気を得ているスタープレーヤーが出てないね。これは解決しなければならない。実はBリーグの発足前にアルバルク東京のスポンサー企業、トヨタに頼んだことがある。「NBAのコービー・ブライアントが引退するらしい。アルバルク東京の選手にしてほしい」とね。アルバルクは一生懸命、口説いたけれど、本人に引退を撤回する気がなかったし、まして日本に来る気はなかった。日本のバスケットリーグは世界的にはまだ認められていないとわかった。でも、日本人選手でも田臥勇太だけでなく、面白い選手はいるんだ。たとえば、北海道にレバンガというB1チームがある。そこの選手兼オーナーが折茂武彦。46歳で、これまでに8988得点を取っている。50歳までには1万点を達成してもらいたい。もし、できたら日本人では初めてだもんね。イチロー(43歳)、カズ(三浦知良・49歳)、ジャンプの葛西(紀明・44歳)と並ぶレジェンドのアスリートなんだよ。私自身、バスケットにかかわってから、ずいぶん多くの試合を見てきたけれど、途中で席を立ちたいと思ったことは一度もない。サッカーの試合では何度も帰りたいと思ったことはあるけれど(笑い)。

――では最後に、そのサッカーの話を。日本代表はサウジアラビアには勝ちましたけれど、ワールドカップ・ロシア大会にちゃんと出場できるのでしょうか。

 うーん、言いたいことはたくさんあるけれど、やめておきます。今の監督の試合は見ていて面白くない。タテに一発、長いボールを蹴るサッカーだから。どうもね。ただ、若い選手が活躍している。原口、大迫など、どこまで伸びるかがいちばんの楽しみだね。

(聞き手=ノンフィクション作家・野地秩嘉)

▽かわぶち・さぶろう 1936年12月3日生まれ。早大卒。古河電工を経て五輪でも活躍。元日本代表監督、Jリーグ初代チェアマン、第10代日本サッカー協会会長を務めた。現在は、公立大学法人首都大学東京理事長。日本バスケットボール協会エグゼクティブアドバイザー。

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