FA行使せず…マー君あっさりヤンキース残留発表の裏事情

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 去る3日、契約を破棄してFAになるオプトアウトの権利を行使せずに、ヤンキースに残留することを発表したのが田中将大(29)だ。

 ヤンキースとは2020年まで3年総額約76億4000万円の契約が残っている。今回のポストシーズンでは計3試合、20イニングに登板して2勝1敗、防御率0.90と好投した。FA市場で大型契約を狙わず、あっさりと白旗を揚げたのはなぜか。

 9月下旬、米メディアの「ニュージャージー・ドット・コム」は、田中の去就に言及。仮にFAになった場合、ヤンキースは田中との再契約を見送り、別の先発投手を獲得するのではないかと報じた。田中が活躍したプレーオフ以前の報道とはいえ、「プレーオフで活躍しようがしまいが、あれはヤンキースの本音です」と、西海岸の代理人関係者がこう続ける。

「田中の右肘靱帯部分断裂は根治したわけじゃないし、右肘はいつパンクしないとも限らない。その右肘の状態に関して、どこよりも正確に把握しているのはヤンキースですからね。無理をさせられないことも、常にプレーオフのような投球が期待できないことも承知しているのです。それどころか、あの報道はヤンキースのリークだった可能性もある。ウチはFAになったらオファーはしない。いま以上の契約を結べるとは限らないし、それでも手を挙げるのかという意味のね。田中にしても、これまで通り、右肘に配慮して投げさせてもらえるいまの環境はベストだった」

 田中の「残るという決断は私にとって決して難しいものではありませんでした。スタインブレナー一家、球団、そしてヤンキースファンのために……」というへりくだったコメントが何より、置かれた立場を物語っている。

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