中日二軍投手C 浅尾拓也が目指すは「教えすぎない」指導

公開日: 更新日:

 それでも、コーチ就任が決まってからは著名な指導者の書籍に手を伸ばし、自身を名セットアッパーに育ててくれた“恩師”落合博満氏の本は2冊を読破した。

「落合さんの本は新幹線に乗る前、ホームの売店で売っていたのを見て気になって買い、移動中に読みました」

 野村克也氏の書籍「野村再生工場」(2008年初版)にも目を通した。心に響いたのは、第1章に書かれていた「なるべく教えるな」という文章だった。
<「教えないコーチは名コーチ」――メジャーリーグにはこういう名言があるそうだ。じつは私も同じ考えである>

「選手には『教えすぎない』というのが大事なんだと思いました。最初はなるべく自分で考えさせるように仕向けて、選手がどうしたらいいか分からなくなったら教える。僕もそうやって導いていけたらと思っています。理想の指導者像は、選手がおかしいと思ったり疑問に思ったりしたことを同じように感じ取れる感覚を持てるコーチですね」

 11年に当時リーグ最多の79試合に登板するなど182センチ、78キロの細身の右腕には常に「酷使」の懸念がついて回った。実際、現役晩年は右肩の故障に悩まされ、16年は一度も一軍のマウンドに立つことができなかった。栄光と挫折を味わった現役12年間の経験は、指導者として貴重な財産になるはずである。

【連載】プロ野球 指導者1年生奮闘記

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「実際のところ二刀流を勧める立場でもなければ、考えたことも、その発想すらなかった」

    「実際のところ二刀流を勧める立場でもなければ、考えたことも、その発想すらなかった」

  2. 2
    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

    入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

  3. 3
    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

    “懲罰二軍落ち”阪神・佐藤輝明に「藤浪化」の危険すぎる兆候…今が飛躍か凋落かの分水嶺

  4. 4
    「結婚はまったく予想していませんでした。野球をやっている間はしないと思っていた」

    「結婚はまったく予想していませんでした。野球をやっている間はしないと思っていた」

  5. 5
    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

    「銀河英雄伝説」大ヒットの田中芳樹さんは71歳 執筆47年で120~130冊…どのくらい稼いだの?

  1. 6
    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議

  2. 7
    GLAYのTERU“ホテル不満ツイート”が物議…ツアー最終日「気持ちが上がらない」にファン失望

    GLAYのTERU“ホテル不満ツイート”が物議…ツアー最終日「気持ちが上がらない」にファン失望

  3. 8
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  4. 9
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10
    小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」

    小池百合子都知事の“元側近”小島敏郎氏が激白! 2020年都知事選直前に告げられた「衝撃の言葉」